働く広場2020年9月号
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働く広場 2020.9Q 2 「障害者職業生活相談員」の配置 障害者を5人以上雇用している事業所においては「障害者職業生活相談員」を選任しなければならないとされています。 相談員の役割は、障害者の能力開発向上といった職務内容や、人間関係など職業生活に関することの相談・指導など多岐にわたります。相談員のみで解決することがむずかしい場合は、人事担当者や配属先の上長などと組織的に問題解決に向け検討することが必要です。 相談員の資格は、当機構の各都道府県支部で開催している講習(全2日間)を受講・修了することにより得られます。この講習では、法制度や雇用管理の方法など幅広い基礎知識を学べます。社内のサポートだけでは対応できない課題やトラブルがあるのですが、どうしたらよいでしょうか。 A 日ごろから外部の支援機関と連携しておくことが大切です。 例えば、家庭や交友関係のトラブル、生活習慣の乱れなど「職場以外のこと」が就労に影響をおよぼすことがあったり、体調の安定を維持するために継続的な通院を必要としたりするケースなどもあります。こうしたプライベートな部分は、雇用側として立ち入ることが躊ちゅうちょ躇されるケースもありますので、本人とつながりのある支援機関に間に入ってもらうとよいでしょう。そのためには支援機関と定期的に情報交換の場を設けたり、何かあったときに迅速に協力し合えたりする関係を、日ごろからつくっておくことが大事です。 また、障害者が円滑に職場に適応できるよう、ジョブコーチ(職場適応援助者)が事業所に出向き、職場内においてさまざまな支援を行う制度があります。障害者の課題に応じた支援のほか、事業主や職場の社員に対しても支援や助言を行います。地域センターの配置型ジョブコーチのほか、社会福祉法人などの訪問型ジョブコーチ、事業主自らが職場内に配置する企業在籍型ジョブコーチがあります。詳しくは、各都道府県の地域センターまでお問い合わせください。Q 3Aの関心が一気に高まったそうです。 そして、社内理解には「社員研修」も有効です。受入れ部署の社員だけでなく、管理職や新入社員向けの研修にも障害者雇用に関するプログラムを取り入れるとよいでしょう。地域障害者職業センター(以下、「地域センター」)(注1)に依頼すれば、企画内容や講師派遣について協力を得られます。当機構で貸し出している啓発用DVD(注2)も活用すれば、社員に障害者雇用の具体的なイメージを持ってもらうことができるでしょう。 なお、採用者が決定した場合は、ご本人が登録していた就労支援機関の担当者に来てもらい、各個人の特性や配慮事項について具体的なアドバイスをもらうことも効果的です。   採用後、職場のサポート体制は  どうするべきでしょうか。A 現場の支援担当者と管理職、人事担当者が連携した「社内サポート体制」が必須です。◆支援担当者(指導員)と管理者 障害者雇用の現場では、一般社員と同様、業務を習得するための支援担当者(指導員)がいるとよいでしょう。配属先の部署の職員が担当するほか、社内公募によって選定するという方法もあります。公募によって、もともと関心がある、または身近に障害者がいるといった意欲のある人が手を挙げてくれるケースもあります。シニア社員なら、社内事情に詳しく豊かな人生経験も活かしてくれるでしょう。 また、配属部署の管理者は、社内サポートの窓口となって職場定着にあたっての必要な相談や調整などをすることが望ましいでしょう。本人が職場で十分に能力を発揮できるよう、職場への適応状況を把握し、必要に応じて職場環境の改善や人間関係形成のサポートを行います。◆人事担当者 障害者雇用が始まると、どうしても現場に負担がかかりやすくなります。人事担当者は、採用後しばらくは配属部署の管理者や社員のサポートを行います。人事担当者と管理者、支援担当者の三者が常に連携できる体制をつくっておきましょう。A検索検索JEED 地域センターJEED DVD(注1)(注2)障害者職業生活相談員検索11

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