働く広場2020年9月号
26/36

努めている。「毎日初めてのことばかりだが楽しい」という森さんと鎌内さん。お2人の笑顔がすがすがしい。「障がい者雇用ということを実はあまり意識していない」という立花さん。理由をうかがうと、以前はお客さまのご意見や事故の解決方法に悩む社員を、日々ケアしマネジメントする立場だったそうだ。「むずかしい課題を抱えている社員とのコミュニケーションには常に神経を遣っていました。精神・発達障がいのある社員たちとのやりとりでは、むしろ教えられることが多い」立花さんは、定期面談で業務面での評価やフィードバックに加えて、個人目標の設定、資格取得に向けた助言などを行っている。面談をすると「みなさん目線が上がる、自信ももってくれる」。この言葉に立花さんのやりがいが伝わってくる。小谷さんはこう続ける。「障がいのある社員に楽しく誇りをもって仕事をしてもらうためには、マネジメントする管理者も楽しく誇りをもって仕事ができるようにしなければなりません。『楽しく、誇りめていくための指数化を求められていて、環境としてありがたいと感じています。きちんと評価がされれば昇給することができますから。コロナ禍かで業務の不安定さは見られますが、だからこそより重要で責任の大きい仕事も増えています」と、小谷さんはいう。そんな本社での取組みが社内で高く評価され、2020年には東京の日本橋と大阪の梅田でも事務サポートセンターが開設された。恵比寿本社と同じコンセプト「特定業務集中職場」である。日本橋の事務チームには、精神・発達障がいのある社員7人を含めた11人の障がいのある社員が、大阪の事務チームには、発達障がいのある社員5人を含めた7人の障がいのある社員が所属する。そして、日本橋では森もり一かず弘ひろさん、大阪では鎌かま内うち則のり之ゆきさんが、それぞれ管理者としてマネジメントにあたっている。現在は恵比寿本社、日本橋、大阪の各事務サポートセンターで週1回のテレビ会議を行い、情報共有、マニュアルやツール類の共有を行い、ブラッシュアップにさん。社内啓発を目的に、現在請け負っている業務の具体的内容、職場の様子などを紹介した「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)news」を作成・発行したり、障がい者雇用率制度の解説、業務の様子を動画配信するなどして、社員の理解や協力をさらに得るための取組みも積極的に行っている。「当時の生産性と比べると2倍くらいになっていますね。上司からは事務サポートセンターにも、将来的には生産性を高だれもが「楽しく、誇りをもって」仕事に取り組む本社での取組み成果が他拠点へも働く広場 2020.9「大阪事務サポートセンター」のみなさん。中央奥が管理者の鎌内則之さん(写真提供:あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)「日本橋事務サポートセンター」のみなさん。右写真の右端が管理者の森一弘さん(写真提供:あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)24

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る