働く広場2020年9月号
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働く広場 2020.9省 庁特別支援教育における就労支援の取組み文部科学省 初等中等教育局 特別支援教育課※本誌では通常西暦で表記していますが、この記事では元号で表記しています 改正障害者雇用促進法などの法的整備を背景に障害者の社会参加が進むなか、特別支援教育の教育現場でも、障害のある生徒の就職や職場定着を促進するための教育の充実に力が注がれています。ここでは、特別支援教育における就労支援の取組みの現状について紹介します。1 就職する特別支援学校卒業生が増加 特別支援学校の卒業生の進路を見ると、ここ十数年の変化として、平成19年卒業者と平成31年卒業者を比較すると、企業への就職者は23・1%から32・3%に増加しており、企業に就職する生徒が着実に増加していることがわかります(図1)。 これは、障害者を積極的に採用しようとする企業が増えていることの表れであり、最近はそうした雇用ニーズに呼応して、企業就労も目ざした特別支援学校高等部を設ける学校が見られるようになりました。2 キャリア教育・職業教育の推進 文部科学省においても、障害者の社会参加が進み続ける現状をふまえ、障害者の就労支援に向けたキャリア教育・職業教育の充実に取り組んでいます。 まず、平成31年2月に告示された特別支援学校高等部学習指導要領では、キャリア教育・職業教育の充実を目ざして、次の点が示されました。 ●学校においては、キャリア教育及び職業教育を推進するために、生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等、学校や地域の図1 特別支援学校高等部(本科)卒業後の状況70%60%50%40%30%20%10%0%平成31年3月卒業者 (各年3月時点) キャリア教育及び職業教育に関して配慮すべき事項区分卒業者 教育訓練機関等進学者就職者社会福祉施設等入所·通所者その他計21,764人326人377人7,019人13,199人843人(1.5%)(1.7%)(32.3%)(60.6%)(3.9%)出典:学校基本統計就職者23.1%→32.3%に増加(平成19)(平成31)その他(在宅等)12.1%→3.9%に減少(平成19)(平成31)進学者・教育訓練機関等7.0%→3.2%に減少(平成19)(平成31)社会福祉施設等入所·通所者57.8%→60.6%に増加(平成19)(平成31)社会福祉施設等入所·通所者就職者 その他進学者・教育訓練機関等平成19平成20平成21平成22平成23平成24平成25平成26平成27平成28平成29平成30平成3126

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