働く広場2020年10月号
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【図表2】 障害者雇用に関する相談・支援機関働く広場 2020.10☆当連載の第1回~第5回は、当機構ホームページでご覧になれます③冊子「障害者雇用マニュアル コミック版」(1~6) 障害者雇用に関する問題点の解消のためのノウハウや具体的な雇用事例を、障害別(注)にコミック形式でまとめたマニュアルです。(注)視覚障害者・知的障害者・聴覚障害者・精神障害者・発達障害者・高次脳機能障害者④冊子「障害者雇用職場改善 好事例集」 障害者の雇用管理や雇用形態、職場環境、職域開発などについて事業所が創意・工夫して実践している取組みを、テーマ別に紹介した事例集です。最新の令和元(2019)年度のテーマは、「中高年齢層の障害のある方の雇用継続」です。  最後に今回の連載に協力いただき、「迷ったときは中央障害者雇用情報センターに気軽にご相談ください」(※2)と話す障害者雇用支援ネットワークコーディネーターの礒邉豊司さんと内田博之さんに、障害者雇用に取り組むみなさまに激励メッセージもいただきました。 「障害者雇用ができるのか不安だ」と相談に訪れる企業担当者の方たちには、いつも「むずかしく考えず、怖がらず、まずは一人、二人から採用してみてください」と話しています。 私が職場で障害者雇用に取り組み始めたときは、仕事がしやすくてできるだけ私の目の届く範囲で仕事ができるよう調整し、ワンフロアに30人ほど雇用しました。私自身の仕事を手伝ってもらったり、封入作業なども一緒に取り組んでいくことで、本人の特性や適材適所、支援・配慮すべきところが見えてきます。そして役所の仕事を請け負い、納期に間に合うようみんなで手分けをしながら作業して納品するという達成感のある仕事もしました。障害者雇用を進める担当者は、自分が体験することから始めるのが一番です。 そして日々心がけてほしいのは「声かけ」です。通りすがりでも「困ったことはないか」、「体調はどう?」と声をかけてください。本人にとって自宅以外の会社という居場所ができたのですから、「明日も行こう」と思えるような職場にしてください。職場の身近な人とのかかわりが大切です。 障害者雇用にたずさわってきた経験のなかで、印象に残る二人の指導員のエピソードを紹介します。一人は60代のベテラン清掃員の女性です。普段は口下手ですが、草刈り鎌の使い方を間違った人に「ケガしてしまうよ!」と本気で叱っていました。彼女が用事で1週間不在にしたときは、メンバーが次々に休んでしまい、いかに彼女が信頼されていたかを知りました。 もう一人は、ある精神保健福祉士の指導員です。メンバー同士のトラブルに真正面から向き合っていました。ある日、知的障害のあるメンバーが自閉症のある同僚に大声で怒鳴り、その同僚が恐怖で体が硬直してしまうということがありました。指導員は怒鳴った彼を面談室に連れて行き、泣いて叱りました。感情的な叱しっ咤たはよくないことですが、その彼には「僕のために泣いている」という本気さが伝わったのでしょう。のちに200人以上いる障害のある社員のなかで数人しかいないリーダーに昇格しました。 障害者とともに働く人たちにお願いしたいのは一つ。「人対人として、本気でつき合ってほしい」ということです。礒いそ邉べ豊とよ司しさん内うち田だ博ひろ之ゆきさん機関名主な業務内容ハローワーク職業相談・職業紹介/障害者向け求人の確保/雇用率達成指導/職場定着・継続雇用の支援地域障害者職業センター(※当機構が各都道府県に設置)職務の創出や雇入れ計画・雇用管理の助言/ジョブコーチ支援/リワーク支援障害者就業・生活支援センター(※一般社団法人や社会福祉法人、NPO法人など)就職に向けた準備支援/雇用管理の助言/本人の日常生活の自己管理、生活設計に関する助言/就業面・生活面での関係機関との連絡調整障害者職業能力開発校障害の態様などに応じた公共職業訓練/企業に雇用されている障害者に対する在職者訓練就労移行支援事業所一般就労などへの移行に向けた訓練、企業実習、適性に合った職場探し/就労後の職場定着への支援当機構都道府県支部 高齢・障害者業務課障害者雇用納付金等の申告・申請受付/各種助成金の申請受付/障害者職業生活相談員資格認定講習の開催※2 中央障害者雇用情報センター TEL:03-5638-2792 E-mail:syougai-soudan@jeed.or.jp11

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