働く広場2020年10月号
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働く広場 2020.10ドリップコーヒー用の豆を正確に計量し、専用の機械で挽くフードやコーヒー豆の陳列では、お客さまの目線に立ち、商品を選びやすいように並べる明るく元気な声と笑顔でお客さまを迎え入れる細ほそ尾お希き良ら々らさん(20歳)は、スターバックス コーヒー イオンモール岡山店にアルバイト社員として入社して2年目のチャレンジパートナー(※)だ。発達障害のある細尾さんが同社で働くようになったきっかけは、通っていた高等特別支援学校が運営するカフェで「あなたに接客してほしいから」といってくれる常連になったお客さまと出会ったことで、接客の楽しさを実感したからだった。細尾さんは「接客にやりがいを感じています。お客さまから感謝を伝えられるととても嬉しいです。接客が天職です」と語る。細尾さんは、2017(平成29)年、高校2年生のときに恩師のすすめもあり、アビリンピック岡山(地方大会)の「喫茶サービス」種目に初挑戦。なんと金賞を受賞し、全国大会へのキップを獲得した。そして出場した「第37回全国アビリンピック栃木大会」では入賞はかなわなかったが、翌年の「第38回全国アビリンピック沖縄大会」で再び挑戦し、銅賞を受賞。これらの経験を活かすべく、同社への就職を決めた。そして昨年の「第39回全国アビリンピック愛知大会」において、お店で磨いた接客スキルを遺い憾かんなく発揮し、見事、金賞に輝いた。「ほかの従業員役を務めた人たちと協力し、コミュニケーションをしっかりとることを心がけた」と話す。細尾さんは現在、店内清掃や商品の陳列などの作業をはじめ、ドリップコーヒー用の豆の計量や、豆挽きの工程を任されており、レジ作業も担当している。ストアマネージャーの徳とく田だ敦あつ之しさんは「細尾さんは接客のスキルも高く、元気な挨拶で店内の雰囲気も明るくなります。お店にとって欠かせないチャレンジパートナーです」と話す。「これまでの経験を活かして、お客さまに喜んでもらえるような接客ができるようにがんばりたい」という細尾さんは正社員を目ざしており、“バー”と呼ばれるドリンクの準備工程を任せてもらえるよう、コーヒーテイスティングやレシピの勉強などを積極的に続けている。※ チャレンジパートナー:スターバックスでは、すべての従業員を「パートナー」と呼んでいる。障害のあるパートナーのこと16

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