働く広場2020年11月号
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はじめに~障害者職業生活相談員について~現場の職務と相談員活動新たな作業での戦力化◆業種一般貨物自動車運送業。日本生活協同組合連合会の物流子会社で、全国に物流の拠点を展開している。◆従業員数663人のうち、障害者は27人。(肢体不自由2人、内部障害1人、知的障害7人、精神障害17人)◆障害者職業生活相談員数  2人(会社全体では10人)。株式会社シーエックスカーゴ尾道流通センター(広島県尾道市)【取材先プロフィール】働く広場 2020.11 株式会社シーエックスカーゴ尾道流通センターに勤務している大おお山やま淳じゅん子こさんは、出荷用の蓄冷剤や保冷容器の供給を管理する、業務二課の班長として活躍しています。ここでは30人の班員中、知的障害のある社員が2人、精神障害のある社員が5人、大山さんとともに働いています。 大山さんは、現場で班長業務を行うかたわら、2018︵平成30︶年から相談員としての活動も行っています。 「はじめは『対処法が間違っていたらどうしよう』などと不安で、思いきって指導できませんでした。社員とのコミュニケーションが取れればこちらの指示も受け入れてもらえると思い、日常的に声かけをし、会話を増やすよう心がけています。ただ、その人に合わせたほどよい距離感を取ることは失敗しながら学びました」と話します。 以前、大山さんの班では、一階から二階へ容器を搬送する作業は状況判断が必要なため、障害のない社員が受け持っており、定型的なほかの作業を障害のある社員が担当していました。しかし、障害のない社員の休暇中の業務をカバーできるよう、障害のある社員にも作業の幅を広げることが望まれたことから搬送の仕事の指導に取り組み始めました。  「しかし、実際に始めてみると課題にぶつかりました。容器を一階から二 障害者を5人以上雇用する事業所では、障害者の職業生活の充実を図るため、障害者職業生活相談員︵以下、「相談員」︶を選任し、障害者の職業生活全般の相談・指導を行うことが「障害者の雇用の促進等に関する法律」で義務づけられています。 相談員の役割は、障害者一人ひとりの障害の状況によってさまざまですが、次のことについて必要な相談や支援などを行います。①職務内容の選定、職業能力の開発向上②障害に応じた施設設備の改善等、作業環境の整備③人間関係や職場のルールの指導④余暇活動⑤そのほか、職場適応の向上 では、職場のなかで相談員はどのように活動しているのか、連載第1回目は広島県尾おの道みち市の「株式会社シーエックスカーゴ尾道流通センター」で活躍する相談員の方をご紹介します。第1回第1回活躍する活躍する障害者職業生活相談員障害者職業生活相談員 障害者を雇用する事業所では、障害者職業生活相談員の方たちが、障害のある社員の相談や支援に取り組んでいます。相談員の方たちの「選任されたけれど何をすればよいかわからない」、「他社の相談員はどんな活動をしているのだろう?」といった疑問に応えるため、各事業所で活躍されている相談員のみなさまの取組みをシリーズでご紹介します。クローズクローズアップアップ相談員の大山淳子さん10

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