働く広場2020年11月号
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ともに成長する相談員へのサポート働く広場 2020.11 自分が担当する作業は何か、それを認識できているか。④マナー 職場にふさわしい言葉遣いや態度をとれているか。 「毎日一緒に作業を行い常に状況を把握し、指示するときは混乱させないよう、作業などの流れをわかりやすく説明しました。障害のない社員とも相談し、協力しながら一つひとつ課題を解決していきました。いまでは搬送作業で欠かせない存在になっています」 大山さんは、ミーティングを開いても障害のある社員から意見が出ないのではないかと心配していました。ところが、「さまざまな意見が出ました。そこで初めて、いままで発信する機会がなかっただけだと気づきました。遅刻の理由も、アナログ時計が読めない、時計によって時刻が違うなどであることがわかり、基準の時計を決めることにしました。そのほか、ミーティングをきっかけにお互いが教え合うようになるなどの効果もありました」と話してくれました。  障害のある社員はもちろん、現場で活躍する相談員へのサポートも重要です。尾道流通センターには、企業在籍型ジョブコーチが一人配置されており、大山さんの働くところと建物は別ですが、いつでも定着支援などの相談ができる体制が整っています。また、全国各地の事業所を結ぶ障害者支援担当者専用の電子掲示板があり、情報共有を行っています。相談員は、年2回は地域ごとに、数年に1回は全国の社内研修で悩みを話し合う機会も持っています。  大山さんは、これまでの活動をふり返りながら、これからについて語ってくれました。 「できるようにする工夫をすれば、社員は劇的に変わっていきます。成長した姿を見ることが私の楽しみでもあるので、次の成長に向けてだれも取り組んだことのないことも試してみようと思います。そして社員には、自分がいなくても通用するようになってほしいと思います。楽しみながら、社員と一緒に私自身も成長していきたいです」階に搬送する作業では、進行状況により二階に運べる量が変わってきます。二階に無線で連絡し、今搬送できる量と場所を確認しながら運ぶ必要があるのです。なかなかお互いのいいたいことが伝わらず、やり直しや、私が現場まで行って指示する必要がありました。また、休憩後の遅刻など、仕事に取り組む姿勢での課題も目につき悩みました」といいます。 そこで、大山さんは作業面と働くうえでのルールやマナーの二つについて、改善に向けた取組みを行いました。◆作業面での取組み①社員の報告を聞くとき、運べる量の認識がずれないように現場のスペースの写真を見ながら確認することにした。②わかりやすい手順書、ルールを掲示した。③空いたスペースに対応する個数を足元に数字で表示し、搬送可能な容器数を数えなくてもわかるようにした。◆ルール、マナーの改善に向けた取組み 一方的な注意ではなく、障害のある社員が自分たちで解決策を考えるためのミーティングを実施。原因と解決策を話し合い、自分たちの決めたルールを守ってもらうことにした。テーマは次の通り。①休憩の取り方 なぜ遅れるのか、どうしたら時間を守れるのか。②作業手順 なぜ手順を守る必要があるのか。③役割分担現場で作業の手順を説明する大山さん足元の目盛で数がわかる30個25個11

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