働く広場2020年11月号
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働く広場 2020.11高たか橋はし洋よう子こさん(50歳)は、清掃後、餌用の袋づくりを担当した。「破けてしまうので、糊のりのつけすぎに注意しています」放ほう飼し場じょうでは、約200匹のタイワンリスが飼育され、エサを与えることができる各自の体力に合わせてラジオ体操を行う外周200mの広場に約200匹のタイワンリスが放し飼いにされ、餌やりなどを通してリスと触れ合うことができる町田リス園は、市民の憩いの場であるとともに、障害者雇用の場でもある。1988(昭和63)年12月に開園。「障害のある子どもたちに働く場を」という親たちの切実な願いを受けて、町田市が「これまでにない動物園の仕事を」と発案し、当時伊豆大島にあった「リス村」の全面協力のもと、授産施設としてスタートした。現在は、「特定非営利活動法人町田リス園」が運営する就労継続支援B型事業所として、障害のある利用者20人が働いている。町田リス園の一日は、園内の清掃から始まる。朝9時にリス園へ出勤してきた利用者が、園長やスタッフの指導を受けながら、掃はき掃除、拭ふき掃除を進める。その後は、ラジオ体操、朝礼と続く。朝礼では、利用者のなかから当番が前に出て、今日の目標などを発表する。開園時間を迎えると利用者は、放飼場出入口でのドアの開閉、リスやモルモットの餌えさの販売、餌の選別や計量・袋詰め、動物用のカゴの洗浄などの持ち場に就き、笑顔で来園者を迎える。園長の樋ひ口ぐち健けん治じさんは、「おつりの計算や声かけができる人、できない人など、それぞれのレベルに合わせて担当を変えています。利用者は、向上心を持って仕事にチャレンジし、少しずつ前進、成長しています」という。開園当時から働く青あお井い由ゆ紀き子こさんは、近年、園内放送にチャレンジし、モルモットの大行進というイベントの告知が行えるようになったそうだ。「これはご両親も驚くほどの進歩です」と樋口さん。今日も、町田リス園には、彼らの笑顔が輝いている。16

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