働く広場2021年1月号
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働く広場 2021.1のは、コラボセの課長で、2016年からこの業務にたずさわっている、本誌の編集委員の平ひら岡おか典みち子こさん。この日の業務は、グループ4社の事業推進本部や広域営業本部、戦略量販グループなど7部署から依頼された案件。定例業務のメール便や経理伝票整理のほか、取引先店舗へのPOP手配や販促品の発送、文書印刷などが加わる。希望納期が書かれているので、優先順位を考えながら各業務の担当者を決めていく。最初は平岡さんたちのようなスタッフが、一人ひとりの「業務スケジュール」を毎日作成し、メンバーにはあらかじめ業務を割りふっていた。徐々に業務が増えるなか、仕事の全体を知ってほしいと考え、「どの部署のだれからの依頼で、いつまでにやるどんな業務なのか」といった細かい情報も業務スケジュールに追加したところ、メンバーたちが「自分たちの仕事が、社内外のこういう部分で役に立っている」と自覚し、納期も意識するようになったそうだ。サントリー人事部時代からメンバーと交流があり、いまはシニア社員としてコラボセの専任部長を務める杢もく谷たに一かず幸ゆきさんが、これまでの成長ぶりを語る。「チーム制に変えてから、彼らが自分たちでフォーマットをつくり、前日から別事業所への出張予定者を確認したり、メール当番を決めたりするようになりました。やはり仕事というのは、人からいわれるより自分たちでやる意識が出てくるとモチベーションも変わってくるのだなと実感しました」スタッフは、業務の配分が偏ったり、なかなか決まらなかったりするときに助言したり、新規業務の手順整理などをする。平岡さんは「将来的にはそうした調整も含め、自立自走できるチームにしていきたい」と話す。一人ひとりの自立と成長をうながすうえで大事にしていることは、「失敗を恐れないこと」だそうだ。「失敗は大歓迎だから」とくり返しつつ「ミスしたときこそ、次はどうしたらいいかみんなで話し合っていこう」と呼びかけている。コラボセの課長代理としてスタッフ役を務める末すえ木き恵めぐみさんは「サントリービール株式会社」の社長秘書から昨年異動してきた。これまでとまったく違う環境で最初は戸惑ったが「みんながすごくフレンドリーで、すぐに打ち解けました」と語る。日ごろ心がけていることについては「メンバーになるべく自分で考える力をつけてもらうために、質問されてもすぐに教えず『どう思う?』と問いかけるようにしています」とのことだ。チームでの業務分担を終えると、さっそくパソコンで入力業務を始めていた2016年入社の及おい川かわ翼つばささん(23歳)に、コラボセで働くことについて聞いてみると「毎日いろいろな仕事ができるし、依頼元の社員のみなさんにお礼をいわれるとうれしいです。仲間と協力しながら納期を守り、ていねいで正確な仕事をがんばりたいです」と返ってきた。少し離れた場所で同じようにパソコン業務をしていた同じく2016年入社の磯いそ山やま翔かけるさん(23歳)は、「入社してから、自分の得意なことをたくさん見つけられました」と話す。一方でいまも不得意なのは、業務に没頭して時間を忘れてしまうことだと明かしてくれた。「過集中防止のため、スマートフォンのアラームを使っています」と見せてくれた画面には、メール便のアラーム時刻が何十件も並んでいた。  業務のなかには、かなり高度なものもある。例えば「スピリッツ販売枠移動」と呼ばれる業務は、「サントリースピリッツ株式会社」で取り扱う商品の需給を調整する内容だ。毎日のようにメールで届く「北海道から〇〇商品を10ケース移動してください」、「名古屋で××商品が200本足りないので補てんしてください」といった注文を読み解き、全体数量の加減を計算しながら社内の専用システムに「やってみなはれ」で業務拡大朝礼後に開かれるチームミーティングでは、メンバー同士で相談し合い一日の仕事の分担を決めるメンバーの働きを支えるコラボセの方々(左から)平岡典子さん、南部有香さん、末木恵さん、杢谷一幸さん8

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