働く広場2021年1月号
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働く広場 2021.1入力していく。聞いているだけでも複雑な業務だ。メールを出す側の社員に、文章の定型化を図ってもらうなどの工夫もしたが、それでも最初はミスも少なくなかったという。「担当する6人のメンバーは、小さなミスが現場に大きな影響を与えてしまうことを経験し、責任の重さも実感しながら努力した結果、1年後にはほとんどミスもなくなりました」と平岡さんはふり返る。担当者の一人、鈴すず木き颯そう太たさん(20歳)は2019年入社。「ミスしたときは依頼部署のみなさんが『大丈夫だから』と声をかけてくれました。いまは本数などを何度も確認し、少しでもわかりにくい内容はスタッフに聞きます」。実は鈴木さんは特別支援学校在学中から、作業時に手が震えてしまうことが悩みだったという。「仕事に自信が持てるようになってから、手の震えもなくなりました。会社に入って克服できたのがうれしかったです」と明かしてくれた。コロナ禍かのいまは、在宅勤務の担当者とオンラインでやり取りしながら業務を続けている。コラボセでは今後も一定のテレワークが続くことを視野に、在宅でもできるパソコン業務の拡大を図っている。2018年入社の小お倉ぐら毅たけ之の介すけさん(21歳)も、重要なパソコン業務を任されている一人。すでに後輩にパソコン業務を教える立場だ。最近も、売上データ更新など新しい業務が加わった。小倉さんは「将来は、どんな職場でも活躍できるようになりたいです。全国転勤も大丈夫です」と意欲的に語る。ちなみに小学校4年生から始めたピアノが趣味で、オンライン会議中に生演奏を聴かせるほどの実力だ。コラボセの担当業務は、いまではグループ24社からの150業務以上にのぼる。順調に業務拡大が進んだ背景について平岡さんは、「サントリーグループで共有されてきた『やってみなはれ』精神がある」と話す。これは創業者の鳥とり井い信しん治じ郎ろう氏がよく口にしていた『やってみなはれ、やらなわからしまへんで』という言葉からきており、サントリーグループの根幹となる価値観に掲げられている。平岡さんはいう。「失敗することも迷惑をかけることもありますが、それを成長のためのステップとして見守り、活躍の後押しをしてくれる企業風土のおかげです」 コラボセでは、グループ社内の後押しと業務拡大を図っていくうえで、積極的に「社員との接点をつくる」活動も行ってきた。まずは「コラボセメンバーを知ってもらうため」のランチ会。メール便の業務などで訪れている部署やフロアごとに呼びかけて開催し、そこでコラボセメンバー「社員との接点」を増やす手際よく業務を進める及川翼さん。「POPの封入・発送業務も好きです」と話す「初めての業務にもチャレンジしたい」と話す磯山翔さんは、書類のPDF化業務を行っている「スピリッツ販売枠移動」の複雑な業務をこなす鈴木颯太さんパソコン業務を担当する小倉毅之介さんは、急なポスター発送も要領よく対応していた9

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