働く広場2021年1月号
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働く広場 2021.1「キャンパス清掃では、通行の邪魔にならないように心がけています」と話す飯岡さんは、漢字検定2級を持っており、郵便物の仕分けに活かしている学校法人帝京大学の特例子会社「株式会社帝京サポート」では、知的障害のある社員39人と精神障害のある社員2人が働いている。その業務は多岐にわたり、学内郵便物などの仕分け・配送、文房具など日用雑貨の配送、会議資料の印刷や廃棄文書の回収・粉砕などの事務サポート業務をはじめ、入院患者向けの投薬・注射薬などを積んだ薬剤カートの搬送、医療従事者のユニフォームの配達など附属病院内の業務、キャンパス内の緑地清掃などさまざまだ。同社では、一週間ごとに業務内容が変わる「ジョブローテーション」を取り入れている。これにより、どの社員もさまざまな業務をこなせるようになり、だれかが病気などで急に休んでも臨機応変に対応できる。さらに、午前と午後に別の業務を行うなど、一日の勤務に変化をつけており、各社員の業務に対するマンネリ化を防ぎ、職場定着にもつながっている。同社では、大学・附属病院宛の郵便物・物品受付も一手にになっている。これにより不特定多数が建物内に立ち入ることを制限でき、セキュリティの確保や感染症予防に有効だ。また、同社では設立以来、社員のマスク着用、手洗い、うがいを続けており、コロナ禍かにより手指の消毒、検温を追加して感染症予防に万全を期している。職場の安全についても、事故やトラブルを未然に防ぐため、二人一組でカート搬送にあたり、「左に曲がります、左側OKです」、「後方もOKです」などと声をかけ合うことで、廊下を歩く患者や医療従事者にぶつからないよう配慮している。薬剤カートの搬送やユニフォームの配達などの業務は、これまでは医療従事者が行ってきたものだ。それを帝京サポートの社員が請け負うことで、医療従事者は本来の業務に専念でき、負担軽減にもつながっているのだ。帝京サポートの社員の働きが、帝京大学本部・医学部とその附属病院における教育や医療の現場の一翼をになっている。飯いい岡おか明あき彦ひこさん(22歳)キャンパス清掃16

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