働く広場2021年1月号
29/36

働く広場 2021.1ト入りのわかりやすいマニュアル(図)をつくることができる人がいます。新しいことにチャレンジすると、失敗はあると思いますが、本人でさえ気づいていない得意分野を発見することもあります。こうした得意分野を業務につなげることが相談員の使命です」と、青野さんはいいます。 「生活のなかで必要な手続きができず、できるまで何度も細かく助言をしたこともありました。ですが、アドバイスを続けていたらその通りにしてくれて、社員からも『青野さんにいわれた通りにしたら、できました』といってもらえると達成感があります」と、青野さん。 これまで障害者職業生活相談員資格認定講習のほか、精神・発達障害者しごとサポーター養成講座や、ジョブコーチ(職場適応援助者)養成研修などを受け、他社の事例に触れることはとても勉強になったそうです。また、そういった積み重ねがなければ、自信を持って1対1で障害のある社員と向き合えなかったと、ふり返ります。 「いまでも、支援で迷うことがある場合は、不安を残したままでは動かず、支援機関の助言などを受けてから、支援するようにしています。石橋を叩いたうえで、しっかりと渡りたいです」 青野さんは笑顔で話してくれました。れば、その都度、『そのときに相手はこう思う』ということを伝え、気づいてもらいます。人に迷惑をかけないためだけでなく、いままで本人もたくさん嫌な思いをしてきたと思うので、今後、そういうことがないようにしていってほしいという願いがあります」2注意は三段階で 「マナーは忘れる人もいますし、一度で身につくものではないので、①個別に注意、②勉強会の場などで一般論として伝える、というステップをふみます。それでもできなければ、③これまでの2回の指導場面をふり返ったうえで、なぜできないのかを考えてもらうことにしています」3感情的にならずに指導 「マナーのほか、作業のミスについても、ほかの人にも共有して役立ててほしい内容の場合は、みんなの前で伝えます。大勢いる場で指導するもう一つの大きな理由は、みんなに見られていることで、相談員自身が知らず知らずのうちに感情的になってしまうのを防ぐためです」 発達障害のある社員は、苦手なことがある一方、仕事においては目を見張るようなスキルを発揮する人もいます。「日報を書くのが苦手でも、他部署で一度打ち合わせをしただけで、イラス相談員としてのやりがいと自信の源得意なことを見つけ、業務に活かす個々の業務に、真剣に取り組む社員のみなさん(提供:株式会社大京)図 障害のある社員が作成した「請求書並べ替え」マニュアル27

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る