働く広場2021年2月号
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働く広場 2021.2の中身を組立て、ソフトウェアのインストールや設定を行うという課題。赤あか地ち和かず典のりさん(千葉県)も6年前に愛知県で開催された全国大会で銀賞を受賞して以来の参加。英文DTP種目では2003(平成15)年にインドで開催された国際大会への出場経験もある。日ごろは公立病院で設備品などの修理を担当し、忙しくてパソコン自体を触ることもままならなかったという。競技後に「僕なんてWindows 10も触ったことがないぐらい昔の人間です」と苦笑いしていたところ、競技スタッフが来て「途中であのコネクト、よく気づきましたね。私もやってみて苦労した部分です」などと盛り上がっていた。赤地さんは今回最高位の銀賞となった。 「コンピュータプログラミング」(4人参加)はアーム型ロボットを使って描画・立体図を作成する競技で、作業の進捗管理能力などシステムエンジニアとしての総合的な技量も含め、高度なプログラミング技術を競い合っていた。 「機械CAD」(8人参加)は、コンピュータ支援設計ツール(CAD)を使ってロボットハンドの部品図と組立図、軸測投影法による組立図と立体分解図を作成する。初挑戦で全国大会出場の岡おか本もと和かず大ひろさん(広島県)は、会社では新入社員覚障害のある前まえ田だ吉よし之ゆきさん(神奈川県)は、2回目の全国大会。駐車場システムなどを手がける会社に勤め、精算機の部品組立などを担当している。同行した上司は「私たちの会社は以前から、アビリンピックに積極的に選手を出しています。ハンダ付けといった手作業は現場ではやっていませんが、組立の基本スキルなので、アビリンピックでの実績が社内的に認められる証あかしにもなります」と話す。競技後、前田さんに書面で感想をお願いしたところ「自分の持っている力をすべて出し切ることができました。最初に仕上げることができたので、入賞を期待しています」としたうえで、「大会で学んだことを仕事にも活かしていきたい」と書いてくれた。前田さんは期待通りの銅賞入賞となった。 6年ぶりに行われた「パソコン組立」(2人参加)は、デスクトップ型パソコン向けのインストラクターとして製図の基礎などを教えている。大学院で情報系を学んでいたが、持病悪化を機に進路を変更、職業訓練校でCADを学び就職したそうだ。競技後は「自分の使っているCADと仕様が違っていたほか、仕事が立て込んで練習時間が確保できなかったのが痛いですね。次回も全国大会に出られるようがんばりたいです」とリベンジを誓っていた。 「建築CAD」(7人参加)の課題は、鉄筋コンクリート造3階建てビルの図面を3時間30分以内に仕上げる内容。建築の知識とCADシステム操作技術のほか、美的感覚なども求められていた。●木工/家具/縫製/洋裁 知的障害のある人が対象の「木工」(14人参加)は、のこぎりやかんな、のみなどの手工具を使った蓋付き木箱を製作する。中なか村むら健けん一いちさん(佐賀県)は、2回「機械CAD」岡本和大さん(広島県)「パソコン組立」銀賞、赤地和典さん(千葉県)「電子機器組立」銅賞、前田吉之さん(神奈川県)「コンピュータプログラミング」招へい選手の⻆かく田た智とも活かつさん(青森県)8

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