働く広場2021年2月号
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働く広場 2021.2さん(京都府)は職業訓練校で「縫製を学びたい」と希望し、そのままアビリンピックにも挑戦して3回目の全国大会。家族以外とは筆談でコミュニケーションを取っている浅田さんは、指導員ともスマートフォンのメモ機能を駆使しながら練習を重ねてきた。いまは地元の有名菓子店に就職し、お菓子の箱詰めなどを担当。職場でも筆談しながら無理なく働けているそうだ。同行していた指導員は「彼女はもともと筋すじがいいというか、布の扱い方がうまいんですよ」と話す。競技終了後、浅田さんに書面で感想をお願いしたところ「休みの日などに個人で練習をがんばってきました。今回最後の全国大会になったけど、今回も仕上げることが目の挑戦で全国大会出場を決めた。20年近く通う就労継続支援B型事業所では、保育園などからオーダーされた椅子やテーブル、棚をつくっている。同行した中村さんの指導員は「図面を渡せば一人でつくるほどの実力で仕事熱心。日ごろは機械作業なので、木工道具を使う特訓もしました」。競技後、競技スタッフからアドバイスを受けた中村さんは「自己評点は55点。競技スタッフさんから『手順が少し違っていたけど、よくがんばっていたよ』といわれました。これからもけがをしないようにして作品づくりを続けます」と話してくれた。 「家具」(4人参加)の競技課題は、手工具や木工機械を使っての花台製作。木工会社で働く高たか林ばやし葵あおいさん(沖縄県)は、3年連続での全国大会出場だ。同行していた父親は「前々回は時間内に完成できず、前回は完成したものの穴をあける場所を間違えたことに後で気づいたそうです。勤務先での作業スピードも上がってきたようなので、今年はミスなく完成できたらいいなと思います」と見守っていた。 エプロンを4時間以内に仕上げる「縫製」(10人参加)は知的障害のある人が対象で、各パーツの仕上がり寸法の正確さ、アイロンとミシンの技法などを含め完成作品のできばえを競う。浅あさ田だ美み咲さきできてよかったです。仕事は縫製関係ではないけれど、これからも物づくりは続けていきたいです」と教えてくれた。 「洋裁」(7人参加)の競技課題は、薄手ウールを使ったオーダー仕立てのオーバーブラウスを6時間以内に製作するというもの。前回の全国大会で銀賞だった小お濵ばま望のぞみさん(鹿児島県)は競技後、「今回はぜひ金賞をと思って臨みましたが、時間ギリギリでした。前回は、ボタンホールの縫い目が粗いところなどを注意されたので、そこを重点的に練習してきました」とふり返った。いまは歯科技工士として働き、仕事と両立させながら練習してきたという。結果は、銅賞入賞を果たした。「縫製」浅田美咲さん(京都府)「木工」中村健一さん(佐賀県)「洋裁」銅賞、小濵望さん(鹿児島県)「家具」高林葵さん(沖縄県)  9

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