働く広場2021年2月号
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働く広場 2021.2品を職場に飾ってもらうこともある。「久しぶりの競技で緊張しますが、自分の納得できる作品をつくりたいですね」と笑顔で話していた。甲か斐い絵え美み理りさん(宮崎県)は全国大会初出場。県大会でのデモンストレーションを見て興味をもち、挑戦を決めたという。IT関連企業の特例子会社に勤め、広告審査業務などを担当している。競技後は「ブーケづくりの時間が足りず急いで仕上げたのが反省点。花は見ているだけでテンションも上がるので、これからも続けていきたいです」と語っていた。 「ネイル施術」(3人参加)は、爪の長さや表面を整えてカラーを塗るベーシックマニキュア(45分)と、ネイルアートと結婚するため就職を目ざしたという。就職と同時に入籍し、ますます仕事への意欲を強くしている。小澤さんは、出場者で唯一の入賞となる銅賞となった。 「フラワーアレンジメント」(8人参加)は花束(50分)、ウエディングブーケ(70分)、テーブル装飾(50分)の3作品で競う。招へい選手の田た中なか達たつ也やさん(新潟県)は今回、地方大会を開催できなかった新潟県からの唯一の参加選手で、2016年の全国アビリンピック山形大会で金賞を取っている。学校の授業で習っていたときに先生の目に留まり、「アビリンピックに出てみたら」とすすめられたのがきっかけだ。日ごろは地域活動支援センターで軽作業を担当し、練習用で仕上げた作●歯科技工/義肢/ フラワーアレンジメント/ ネイル施術/写真撮影 「歯科技工」(5人参加)は、硬質レジンジャケット冠と部分入れ歯を製作する。三み津つ橋はし幸ゆき勇おさん(北海道)は、初挑戦での全国大会出場となった。歯科技工会社の同僚女性と2人で出場していたが、競技後は厳しい表情だった。書面で感想を求めたところ「泣きそうです。レベルを上げたいと思います」とだけ書いてくれたが、結果は出場者で唯一の受賞、しかも金賞に輝いた。 「義肢」(3人参加)の競技課題は、義肢を使うとき切断部分に装着するソケットの製作。小お澤ざわ悠ゆう一いちさん(鹿児島県)は、2019年の全国大会で障害者職業能力開発校から出場し銅賞だった。今春に義肢製作会社に入社し、2回目の出場を決めた。「普通は職業能力開発校修了で義肢装具技能士補の資格をもらえますが、アビリンピック全国大会で一定の成績をとると、技能検定2級の実技試験が免除になります。おかげでいまの会社に就職できました」と明かす。病気で無職だったころ、父親が脳卒中の後遺症で義肢をつくった。その製作過程を見て「人の役に立つ、ものづくりがしたい」と開発校へ。さらに小澤さんを支えてくれた女性「フラワーアレンジメント」招へい選手の田中達也さん(新潟県)「フラワーアレンジメント」甲斐絵美理さん(宮崎県)「ネイル施術」招へい選手の山下加代さん(北海道)「義肢」銅賞、小澤悠一さん(鹿児島県)「歯科技工」金賞、三津橋幸勇さん(北海道)10

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