働く広場2021年2月号
18/36

働く広場 2021.2格を持っています。 このため、ことさら「私は相談員の資格を持っています」という説明はせず、だれにでも相談できる体制をとっています。仕事のセクションを飛び越えて、「お気に入り」の相談員に、相談する人も多いです。高田麻里子︵以下、高田︶ 入社の際に、「業務のことは現場のリーダーである○○さんに、仕事以外の相談やリーダーにいいにくいことは私に相談してください」と説明しています。 障害のある社員が業務時間中でも気軽に相談に来て、最初は泣き顔だったのに、笑顔になって職場に戻っていく姿を見ると、相談員がいる効果を感じます。毎日、密接に関わるリーダーは変化を感じづらく、少し離れた位置から見る私の方が異変に気づきやすい側面もあり、こうした体制があることは社員に長く働いてもらうために重要なことだと思います。内田 各社、人事体制と相談員の位置づけに多少差異があるようですが、それぞれよき相談相手として重要な役回りを務めていらっしゃいますね。内田 相談員の活動を通して、みなさん自身に何か変化はありましたか。高田 障害のある社員たちに支えられているように思います。社員は察知能力が高い方も多いので、元気がな内田博之︵以下、内田︶ 今日は「障害者職業生活相談員として働く」をテーマに、経験豊かな3人の障害者職業生活相談員(以下、「相談員」)の方々の、日々のお仕事の様子などをお聞きしたいと思います。 まずは、「相談員の存在意義」について、二つうかがいたいと思います。一つめは、新たに障害のある人を採用するとき、相談員の存在や役割を説明していますか。二つめは、相談員の活動のなかで、ご自身や周りに何かよい影響がありましたか。塩原麻里︵以下、塩原︶ 見学会や入社のタイミングで、社内体制図を示して相談員がどこに配置されているかを説明し、「困ったことがあったら、この人に相談してね」と案内しています。障害のある社員には「だれに相談すればいいのか」がわかりやすく、「理解してくれる人が職場にいる」安心感につながっていると思います。和田康延︵以下、和田︶ 弊社では事務支援課に配属されたら、最初に必ず、相談員の資格を取得します。ですから、事務支援センターのセンター長をはじめ20人の社員全員が相談員の資最終回最終回活躍する活躍する障害者職業生活相談員障害者職業生活相談員「障害者職業生活相談員」の活動を紹介するシリーズ。第4回は、経験豊富な障害者職業生活相談員の3人をお招きして座談会を開催し、参加者の経験に基づくノウハウや知見などをうかがいました。また、日々迷いながら、障害のある社員と真摯に向き合う思いはみなさん同じで、相談員同士の情報交換の場にもなりました。クローズクローズアップアップ障害者職業生活相談員の存在意義とは相談員になったことによる自身の変化株式会社KDDIチャレンジド 事業企画部 高たか田だ麻ま里り子こさんリゾートトラスト株式会社 東京・横浜事務支援課 和わ田だ康みち延のぶさん大和ライフプラス株式会社 ダイバーシティ推進部統括課塩しお原ばら麻ま里りさん進行役の中央障害者雇用情報センター 障害者雇用支援ネットワークコーディネーター内うち田だ博ひろ之ゆきさん■座談会に参加された方々(写真右から)16

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る