働く広場2021年2月号
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実習から雇用への流れがスタンダードになっています。また、市の自立支援協議会主導のもと、障害者雇用啓発のための就職準備フェアを7年連続で開催しています。行政や福祉サービス事業所、相談支援事業所などと共同で運営しているため、よりよい連携につながっています。 愛媛県内では職場適応援助者(ジョブコーチ)支援の活用実績が、県庁所在地である松山市に次いで多い圏域でもあるのですが、訪問型ジョブコーチは圏域内に2人しかおらず、障害者職業センターとのペア支援に頼っている現状です。しかし、就労移行支援と就労定着支援を行う事業所がそれぞれ2カ所あり、就労定着支援事業の体制は整っています。中村淳子(以下、中村)当センターは沖縄本島北部に位置しており、担当圏域の人口は沖縄本島の約10分の1ですが、面積は本島の3分の2を占めており、広範囲におよびます。各関係機関とのネットワークは、人口が多くないこともあって、顔の見える関係が構築され、相談を受けた機関から、ハローワークやナカポツへつなげる流れができています。 2019(令和元)年度には、ハローワーク主催・ナカポツ共催で、企業を対象とした特別支援学校への授業参観を行ったのですが、その後、企業から特別支援学校に、実習生の受入れなどについての問合せが増え、好評でした。 また、当センターでは沖縄県単独事業口が多いため、国の障害者就業・生活支援センターと、市区町村の障害者就労支援センターが連携しながら日々障害者の就労支援を行っています。 コロナがいつ収束するかわからない、先が見えないなかでも変わらず、障害者の就労支援ニーズは高いので、まずは自分たちが感染しないよう細心の注意を払いながら、サービスを提供し続けることが重要だと思っています。特に知的障害のある方々は現場での仕事が多いため、ITリテラシーがおよばない方が取り残されないように心がけています。萬行裕紀(以下、萬行)広島市東部を中心に担当しています。当センター母体の「社会福祉法人つつじ」では、おもに発達障害のある方の、幼児期から成人期までの生活支援や就労支援に力を入れています。当センターと同じ建物に、発達障害のある方への支援に特化した就労移行支援事業所も併設しています。広島市障害者就労支援事業を利用し、さまざまな職場体験実習先を確保しているのが特徴です。井原佳代(以下、井原)担当圏域は愛媛県四国中央市の1市1圏域です。そのため、管轄のハローワークは1カ所で、行政や福祉サービス事業所との顔の見える関係が構築しやすいです。 市単独事業の実習支援制度があり、その運営を委託されています。担当圏域での就労支援は、その制度を活用した、 障害者相談支援事業所で計画相談にたずさわっていると、緊急事態宣言以降のコロナ禍で、障害者雇用の現場も大きな影響を受けていることが肌で感じられる。本稿取材時には感染拡大の第3波が全国各地に広がりを見せてきたことから、地域ごとの障害者就労現場を把握している「障害者就業・生活支援センター」(以下、「ナカポツ」)(24ページ図1参照)の方々に、現状とウィズコロナの状況下での各地の工夫をお聞きする目的で、WEB座談会を企画した。武田 まず、みなさまの事業所の概要とアピールポイントをご紹介ください。木村美和(以下、木村) 福島県郡こおり山やま市を中心に、広範囲の県中地域を担当しています。私がナカポツ以外の支援事業所の管理者も務めていることから、当センターで支援している人が福祉サービスを利用するなどの際は、事業所間でスムーズな引き継ぎが可能です。また、圏域内の基幹相談支援センターとの連携もスムーズに行えていることもアピールポイントです。堀江美里(以下、堀江) 東京都千代田区を中心に担当しています。東京都は人はじめにWEB座談会参加者の地域の状況■座談会 県中地域障害者就業・生活支援センター ふっとわーくセンター長 木き村むら美み和わさん(福島県)WEL’S TOKYO 就業・生活支援センター センター長 堀ほり江え美み里さとさん(東京都)広島東障害者就業・生活支援センター 就業支援ワーカー 萬まん行ぎょう裕ひろ紀きさん(広島県)障害者就業・生活支援センター ジョブあしすとUMA理事長・第三事業部長 井い原はら佳か代よさん(愛媛県)障がい者就業・生活支援センター ティーダ&チムチムセンター長 中なか村むら淳じゅん子こさん(沖縄県)働く広場 2021.2緊急事態宣言後、休業や勤務日数減少など就労状況が変化各障害者就業・生活支援センターの支援方法は、電話やメールのほかWEBを導入今後は、WEBの活用による新たなネットワーク構築へ123POINT23

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