働く広場2021年2月号
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されているようですが、感染予防対策も含めた新たな生活様式ならぬ、新たな就労支援様式を目ざしてどのような工夫をされていますか。堀江 企業にも障害者にも感染予防の重要性を知ってもらわなければならないと、ガイドラインを作成しホームページで公開して注意喚起しました。また、当センターの支援員も法人指定のポロシャツを着用するなど、みんなで感染予防に意識を向けてもらうことを実施しました。木村 予防対策では、障害のある方の感染予防意識レベルを上げていくために、直接お伝えした方がよりよい効果があります。密を避けるために大勢で集まってはいけないので、少人数ずつ集まってもらい、手洗い指導や免疫低下防止指導など、看護師の協力も得て勉強会を開きました。井原 3月から6月までの間は、全国的な感染拡大から本人との対面による面談はむずかしくなり、継続的なアセスメントや課題の早期発見ができなくなるリスクが懸念されました。圏域では感染者が出ていなかったため緊急性の高い場合は面談を継続しましたが、非常時への備えも意識して、できるだけ電話やZoomを活用した面談や、メールでの状況確認に支援方法を変更しました。 しかし、対面であれば相手の理解具合い(非言語コミュニケーション)が手に取るようにわかっていたことが、画面越しじました。 2020年3月に特別支援学校を卒業して就職した方からは、不規則な出勤や、業務の見通しが立たないことで「不安を感じる」、「生活リズムをつくりづらい」との相談がありました。また、4月〜6月の繁忙期が後ろ(7月〜9月)にずれたことで業務量が急激に変化し、暑さも相まって心身ともにストレスを感じる方もいて、職場訪問や来所面談でお話をうかがい、ストレスの解消方法などについてアドバイスしました。 特別支援学校を卒業し、ホテルの調理業務に内定された方は、就職日が4月1日から12月1日にずれたことで、先の見えない状況に精神面が不調となりました。その間、面談を重ね、精神面のケアを行っていました。木村 福島圏内でのこれまでの影響は、職場実習が前年と同じ時期で17件マイナスとなり、広告代理店・ホテル・飲食業・カラオケ店・航空業では、減収や出勤調整がいまも続いています。 また、仕事が休みの日に体調管理やメンタル面の調整をしていたデイケアが、3密を避けるために人数を制限して使えない状況があり、不安定になる対象者が出てしまう事態も起こりました。武田 WEB実習のような新たな試みものではないか」と通勤を心配されています。知的障害のある方のなかにはフェイストゥーフェイスでないと意思疎通がむずかしく、在宅ワークではうまくいかない事例もあります。 WEB実習も広がってきていますが、われわれが支援している方のなかには、ITリテラシーが高くない方々が多いので、求人や実習依頼があっても要請に応えられなくなっている面もあります。萬行 2020年3月から、新型コロナウイルスの影響により勤務日数が減少したとの相談が少しずつ入るようになりました。4月には、当センターに登録されている在職中の方の約26%が、勤務日数減や休職、自宅待機になるなどの影響を受けました。なかには、業務内容の変更などにより、精神的にきつくなり休職に至った方もいました。5月に入り、自宅待機の方は少なくなったものの、勤務日数減の方は継続して日数が減少したまま、という状況がありましたが、6月には、ほとんどの方が通常勤務に戻りました。 圏域内に自動車メーカーの本社があるので、自動車関連の製造業が多いのですが、新型コロナの影響で自動車メーカー本社での製造ラインがストップしたため、それに関連する中小企業も製造がストップしました。その影響で4月〜6月は受注が減って生産量も減少したことで、勤務が不安定になった方が多いと感緊急事態宣言後の各ナカポツの支援方法の変化インターネットを利用したWEB会議システムで、お話をうかがった県中地域障害者就業・生活支援センターふっとわーくセンター長 木村美和さん WEL’S TOKYO 就業・生活支援センターセンター長 堀江美里さん働く広場 2021.225

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