働く広場2021年2月号
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されており、そのなかで共通して見えてきたのが、WEB導入の試みであった。私自身のことでもあるが、福祉事業者は現場で利用者に向き合うことを是としており、ITリテラシーに関心が薄い。しかし、緊急事態宣言以降のコロナ禍で利用者の不利益を最小限にするための手段として否が応でもITリテラシーを高めざるを得ない局面となったが、なにぶんにも十分なテレワーク環境を整備していなかった。右往左往しているとき、事業継続緊急対策(テレワーク)助成金で整備できたこと、仲間からWEB会議の方法を教えてもらったことは、一歩前にふみ出すのに大きな励みとなった。 新しい生活様式での就労支援はハード面とソフト面、双方のサポートがないと、なかなか厳しいものになっていくだろう。そのときに、全国にネットワークを持つナカポツ同士でハードとソフト両面の助け合いをし、近隣の企業や就労移行支援事業者等との新たなWEBネットワークが形成されれば、就労支援環境が整い、地域のみならず日本国中とつながることができる。また、講師を全国から依頼することもできる。 感染拡大の第3波が猛威を振るうなかで、巷では暗いニュースが飛び交っているが、コロナ禍でたいへんな状況でも、障害者雇用を進めるための新たな様式を模索されている5カ所のナカポツの取組みが、少しでもお伝えできれば幸いである。くなり、学ぶ場が少なくなっていました。そこで、県内6センターが合同で3カ年計画として取り組んでいる「えひめ障がい者就労支援セミナー」を、オンライン形式で開催しました。各センターと、県外の講師をZoomでつなぐことで、交通費などもかかることなく、2年目の研修を実施することができました。武田 コロナ禍でも障害者雇用を推し進めようとさまざまな工夫をしながら奮闘されているみなさまのお話は、本誌を読んでくださる読者にも役立つ情報としてお伝えできると思います。本当にありがとうございました。これからもご活躍を祈念しています。 コロナ禍で、通所系就労移行支援事業所も企業も在宅ワークが多くなった。就労されている方の一部ではいまだに在宅ワークと称して出勤要請がない方もいるなか、全国の障害者雇用への影響と、それを支えるナカポツの取組みが気がかりだった。私も以前、ナカポツにかかわっていたこともあり、仕事や研修などでご一緒させていただいた方々と久しぶりにお話ししたが、それぞれの現場で起こる現状に向き合いながら課題解決を試みられている様子をお聞きできた。 座談会では、地域の実情に合った新しい生活様式・新しい就労支援様式を工夫リーに顔を見るやり取りが可能になったり、移動がないので現場の職員がWEB研修に参加しやすくなったり、新たな発見もたくさんありました。萬行 みなさまのお話をうかがって、パソコンなどのIT機器の活用事例を知ることができました。新しい生活様式で何が正解かはまだわかりませんが、当センターでも新たな支援手段の一つとして、オンラインを活用していきたいと思いました。井原 先ほど、オンライン面談のむずかしさについて実感したと話しましたが、これからの生活様式はその方向性に向かうのは間違いありません。そこで、在職者交流事業の一環で、障害のある方を対象にZoomの使い方講座を開催しました。最初、抵抗を示した人も意外と使えそうだという実感をもってもらえ、実際にZoom面談につながった人もいます。 WEB利用の研修しかり、感染予防対策しかりですが、障害のある方には、新しい生活様式をすぐに理解することがむずかしい方も相当数いらっしゃるので、噛み砕いて伝えることが重要だと思います。在宅ワークの過ごし方、会社に行けないときの過ごし方を、職場と連携を取ったり、福祉サービスの就労定着支援事業所と連携して、「わかっているだろう」ではなく、余暇の情報などを連携して情報共有していくことが求められると思います。 一方で、われわれ職員も出張研修がなおわりに(座談会を終えて)障害者就業・生活支援センタージョブあしすとUMA理事長・第三事業部長 井原佳代さん障がい者就業・生活支援センターティーダ&チムチムセンター長 中村淳子さん働く広場 2021.227

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