働く広場2021年3月号
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働く広場 2021.3「東京都プリプレス・トッパン株式会社」(以下、「プリプレス」)は、印刷業界大手の「凸版印刷株式会社」が1993(平成5)年、東京都および板橋区と共同出資して設立した第三セクター方式の特例子会社だ。事業内容は、凸版印刷からの委託を中心に、各種印刷物のDTP制作から自動組版システム設計・開発、WEBコンテンツ制作、オフィスサポート、紙すき事業までと多岐にわたる。社員120人のうち障害のある社員が91人(身体障害51人、知的障害24人、精神障害16人)、グループ適用の障害者雇用率は2・31%(2020︿令和2﹀年6月1日現在)となっている。凸版印刷グループ会社の社長などを経て2018年からプリプレスの取締役を務める一いちのせ瀬逸いつ三ぞうさんが、これまでの経緯について話す。「重度障害者雇用モデル企業として、以前は肢体不自由など身体に障害のある社員が多かったのですが、2014年から本格的に知的障害や精神障害のある社員を採用してきました。特性も職務能力も多様化しているので、近年は、より細やかな合理的配慮や支援、そして"人財"育成に力を入れています」都営地下鉄の志村坂上駅から徒歩10分ほど、印刷関係の事業所などが点在する一角に、プリプレスの本社がある。3階建てビルの地下と屋上には、平置き式の駐車場が計40台分確保され、交通機関での通勤が困難な車いすユーザーの社員が使っている。エレベーターは車いす4台分まで乗ることができ、廊下や業務フロアのデスク周りも、車いすがすれ違っても十分なほどの広さが確保されている。多目的トイレは男女それぞれ2カ所あり、内部障害者向けのシャワーも完備。トイレの使用状況は、業務フロア入口に設置された信号機のようなランプで確認できる。業務フロアと同じ2階にある食堂は、車いすに合わせた高さの丸テーブルや自販機などがあるほか、奥には休憩室もあり、高さ40㎝ほどの畳コーナーが設けられている。取材時も、休憩時間になると社員が訪れ、畳の上で体を伸ばすなどし都・板橋区との第三セクター設立時から充実の設備環境通いやすく働きやすい充実した設備環境グループ各社に分室をつくり業務を拡大専門職常駐の「人財開発室」を拠点とした支援123東京都プリプレス・トッパン株式会社取締役の一瀬逸三さんパソコンを使用して印刷物のレイアウト編集(組版)を行うPOINT駐車場は車間が十分に確保されており、不自由なくドアを開閉できるエレベーターは奥行きがあり、車いす4台を収容可能だフロアには段差がなく、車いす同士が余裕をもってすれ違える広さがある7

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