働く広場2021年4月号
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働く広場 2021.4名刺の封入作業では、名刺と注文書に記載されている部署や氏名を確認し、各支店行きの袋に入れていく100を超える支店のなかには、よく似た名称もあるため注意が必要だ確認が済んでいないことが一目でわかるよう、袋のチャックを開けておく「日興みらん株式会社」は、「SMBC日興証券株式会社」(東京都千代田区)の特例子会社としてグループ各社の事務作業を受託し、障がいのある社員が業務に就いている。日本橋小網町の本社では知的障がいのある社員19人が働いており、持もち永なが知とも毅きさん(19歳)もその一人だ。2020(令和2)年4月に入社した持永さんは、東京都立港特別支援学校(※)の在学中に担任や進路指導の先生のすすめもあり、2~3年生のときに合わせて3回、同社で実習を行っている。この実習を通して、日興みらんで働きたいという気持ちが大きくなり進路を定めた。入社に向けた面接では「テープ貼りが得意です。一生懸命がんばりたいです」と思いを述べ、念願かなって内定をもらった際は「とてもうれしかった」という。日興みらんでは、障がいのある社員それぞれに合わせて作業工程や治じ具ぐなどに工夫をこらしている。返信用封筒へのテープ貼りでは、失敗例などが記載された見本と見比べることで、自らズレやゆがみなどに気づけるようにしている。テープの長さを揃えるのが苦手な社員は、治具に合わせてテープをカットしてから封筒に貼りつけるなど、工程を工夫している。また、名刺などの発送作業では、封入作業と封かん作業を別の社員が行うようにし、必ず複数人が内容物の数などを確認するダブルチェックをすることでミスを防いでいる。持永さんは「返信用封筒のテープ貼りでは、受け取る人の気持ちになってテープをきれいに貼ることを心がけています」と話す。返信用封筒は、親会社であるSMBC日興証券の顧客が直接目にするため、ていねいに仕事をすることが求められる。この春、入社2年目となる持永さんは「たくさん仕事を覚えて、後輩のよき見本となれるよう、日興みらんで長く働いていきたいです」と抱負を語ってくれた。※ 今号20ページ「編集委員が行く」で紹介しています★本誌では通常「障害」と表記しますが、日興みらん株式会社様の要望により「障がい」としています16

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