働く広場2021年4月号
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働く広場 2021.4 障害者の特性に配慮したさまざまな働き方を選択できるようにすることで、生産性の向上や戦力化が期待されています。デジタル技術を活用した新しい働き方により、障害者が能力を発揮して働いている事例もあります。 パネルディスカッションⅡでは、当機構企画部次長の早はや坂さか博ひろ志し氏をコーディネーターとし、インプラス株式会社代表取締役の井いの上うえ竜りゅう一いち郎ろう氏、グリービジネスオペレーションズ株式会社経営企画室マネージャーの竹たけ内うち稔とし貴たか氏、パーソルチャレンジ株式会社コーポレート本部経営企画部事業開発グループマネジャーの吉よし田だ岳たけ史し氏をパネリストに迎えて、障害者がデジタル技術を活かして能力を発揮しながら働いている事例や、それにつなげていくための支援を紹介し、みが紹介されました。同社では全54人の社員のうち、48人が障害者手帳を保有しており、事業貢献度の高い仕事を増やし、障害のある社員の特性に応じた業務を担当してもらうことで、その戦力化に成功しています。新型コロナ感染症の流行にともない、テレワークにもいち早く取り組み、環境整備から健康面の自己管理などについてもフォローを行う様子が紹介されました。 吉田氏からは、パーソルチャレンジ株式会社が運営するITに特化した支援を行う就労移行支援事業所「Nニューロeuro Dダイブive」で、今後、市場の拡大とともに人材不足が想定される先端IT領域について、発達障害者の特性や能力を活かして、ビジネススキルを高めるプログラムを提供するとともに、一人ひとりの就労準備性を高め、定着を見据えた支援を行う様子が紹介されました。 後半のディスカッションでは、「体調などの本人の状況に応じた配慮をするのに、ICTやテレワークはよいツール」、「テレワークへの移行で、障害者のストレスは相対的に減り、生産性が上がっている。ただし、自己管理ができることなどの、就労準備性がより求められるようになっている」、「テレワークと同じく、障害者雇用もトライ&エラーでチャレンジしていくことが大切。雇用の前に一緒にチャレンジするパートナーとして就労移行支援事業所を活用してほしい」などの意見があり、ICTのメリットを活かした障害者の新しい働き方の可能性について、活発な議論がなされました。障害者の働き方の新しい可能性について検討しました。 はじめに、パネリスト3人による各企業の事例紹介が行われました。 井上氏からは、コンピュータのシステム開発などを行うインプラス株式会社で、2014年から進めてきた障害者雇用の取組みが紹介されました。試行錯誤や失敗をくり返しながらも、自身と3人の健常者社員全員がジョブコーチ研修を受けるなどして社内の理解を深め、サテライトオフィスや在宅勤務などの新たな勤務体制の導入を試みた結果、現在は計4人の障害者雇用を実現しています。井上氏によると、「障害者雇用は、『人材が確保できる』、『生産性が上がる』、『社風がよくなる』などのメリットをもたらす、重要な経営戦略のひとつ」だといいます。 竹内氏からは、ゲームやインターネットの事業を行っているグリー株式会社の特例子会社グリービジネスオペレーションズ株式会社での取組※パネルディスカッションの動画は、障害者職業総合センター(NIVR)のホームページ(https://www.nivr.jeed.go.jp/)にて視聴することが可能です障害のある社員の活躍のためのICT活用 パネルディスカッションⅡ井上竜一郎氏竹内稔貴氏吉田岳史氏早坂博志氏星希望氏野澤紀子氏細川孝志氏鈴木瑞哉氏松本優子氏29

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