働く広場2021年4月号
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働く広場 2021.4 共生社会の実現に取り組む「誰もが誰かのために共に生きる委員会(チーム誰とも)」(主幹:公益財団法人日本ケアフィット共育機構)(千代田区)が、車いすユーザーと二足歩行者が逆転した架空の世界を体験する「バリアフルレストラン」を提供開始。社会がつくり出す障害とは何か、「あたりまえ」とは何かを問いかけるプログラム。車いすユーザーの協力のもと、「東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター」(文京区)と共同開発した。 レストラン内には、車いすユーザーに最適化された低い天井やテーブルなどを用意。車いすユーザーが多数派という設定の環境のなかで、「二足歩行者」は障害のある人として位置づけられ、こうした環境を体感してもらう。プログラムを通じて多くの人に、現在の社会がいかに多数派や健常者の「あたりまえ」を前提につくられているのかを体験してもらい、どうしたら社会をよくできるのかを考える機会をつくるとしている。問合せは、公益財団法人日本ケアフィット共育機構まで。電話:03ー6261ー2333URL:http://www.care t.org 障害のある人たちがモデルを務めるファッション専門のフリーペーパー「MミスフィッツISFITS」が、静岡県内を中心に創刊された。 静岡市内で放課後等デイサービス事業所を運営する「株式会社LライフワークスIFEWORKS」と、 厚生労働省は、障害者施設で職員から利用者への虐待が年々増えていることを背景に、2022(令和4)年度から事業所に虐待防止委員会の設置を義務づけることを決めた。障害者福祉施設・事業所の指定基準に「職員研修」、「虐待防止委員会の設置」、「責任者の設置」の3点を加える。2021年度は準備期間として努力義務とし、虐待防止の研修を実施したり、職員のストレスがたまりやすい職場になっていないか点検したりする。障害者へのむやみな身体拘束をさせない仕組みも強化する。 厚生労働省によると、障害者施設での虐待は2018(平成30)年度に592件が認定され、2013年度に比べ約2倍に増えた。 横浜市は、JR関かん内ない駅に障害者就労啓発施設としてカフェ「café ツムギ station at Yokohama Kannai」をオープンした。「株式会社オリィ研究所」(東京都港区)が開発した分身ロボット「OオリヒメriHime」を活用して、障害のある人に自宅から遠隔操作で接客してもらう。市内の就労支援施設で製造した菓子類も販売し、複合的な支援を目ざす。 カフェは、市が関内駅の高架下スペースに新設した施設内にあり、「株式会社JR東日本フーズ」(東京都台東区)が運営。障害者を雇用し、交代で在宅勤務してもらう。席のテーブルの上に置いたロボットを通じ、画面越しに客の顔を見て、注文を取ったり会話したりする。席の案内や料理の提供は店舗スタッフが担当する。「OriHime」は平日14時から18時の稼働を予定。メニューに7種類の紅茶やハーブティー、ビーフカレーなどを揃えた。営業時間は11時〜19時、年中無休。 「東京地下鉄株式会社(東京メトロ)」(台東区)は、視覚障害者に駅を安全に利用してもらうための新しいナビゲーションシステム「sシカイhikAI」を導入した。千代田線、有楽町線、副都心線などの一部の駅でサービスが始まり、利用状況を見ながらほかの駅への拡大も検討していく。 新システムは、スマートフォンの専用アプリで駅構内のQRコードを読み取ると、目的地までの順路などを音声で案内するというもの。例えば、アプリで乗りたい車両や行きたい出口を選び、点字ブロックを進むと、点字ブロックに貼られたQRコードが読み取られ、「左に3m進んでください」などと音声で案内する。次の移動先でもQRコードを読み取り、さらに次の移動先への音声ガイドが流れ、最終目的地まで誘導する。階段やホームの端が接近しているときや順路を外れたときにも、何m戻ればよいかなどを知らせてくれる。「shikAI」アプリはiPhoneでダウンロードが可能。利用料金は無料。障害者モデルのファッション誌静岡架空の逆転世界「バリアフルレストラン」プログラムの提供開始東京地下鉄の順路などをアプリで音声案内東京障害者施設に虐待防止委員会の設置を義務化厚生労働省障害者の新たな働き方を創出神奈川生活情報国の動き地方の動き30

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