働く広場2021年5月号
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働く広場 2021.5省 庁(1)障害者雇用ゼロ企業等に対する「企業向けチーム支援」の実施﹇予定額 982(638)百万円﹈ 令和3年3月1日に引上げられる障害者雇用率を踏まえ、特に、障害者の雇用経験や雇用ノウハウが不足している障害者雇用ゼロ企業等を中心とする法定雇用率未達成企業に対して、企業ごとのニーズに合わせた支援計画を作成し、求人ニーズに適合した求職者の開拓等の準備段階から採用後の定着支援まで一貫した「企業向けチーム支援」を実施し、企業の障害者雇用を支援する。(2)「障害者向けチーム支援」の実施等によるハローワークのマッチング   機能の強化       ﹇予定額1、880(1、883)百万円﹈ハローワークが中心となり、地域の関係機関等と連携して、就職から職場定着まで一貫した支援を行う「障害者向けチーム支援」を実施し、障害者の就職を支援する。また、就職準備性を高めることが必要な障害者を対象に、一般雇用に向けた心構え・必要なノウハウ等に関する「就職ガイダンス」や、管理選考・就職面接会を積極的に実施する。(3)雇用分野における〝農福連携〞の推進 ﹇予定額 44(43)百万円﹈農業事業者等に対して、ハローワークによる積極的な求人開拓や障害者雇用に係るノウハウ提供の強化等のアウトリーチ型支援を展開するとともに、農業分野への就職を希望する障害者に対して就職から職場定着まで一貫した支援を実施する。(4)福祉、教育、医療から雇用への移行推進事業の実施﹇予定額 291(342)百万円﹈福祉、教育、医療から雇用への移行を推進するため、福祉施設、特別支援学校、医療機関等の地域の関係機関や事業主団体・企業と連携しつつ、職場実習を総合的かつ効果的に実施する。特に、中小企業における職場実習の推進を図る。また、就労支援セミナー、事業所見学会等の機会の充実、ハローワークが中心となった企業と福祉分野の連携促進事業の推進等を図る。(5)障害者トライアル雇用事業の実施﹇予定額1、600(1、277)百万円﹈ハローワーク等の紹介により障害者を試行雇用(原則3か月。精神障害者については最大12か月。)する事業主に対して助成し、障害者の雇用の促進と安定を図る。2 安心して安定的に働き続けることができる環境の整備﹇予定額8、063(8、438)百万円﹈(1)障害者就業・生活支援センターの機能強化﹇予定額7、907(8、375)百万円﹈障害者の身近な地域において就業面と生活面の一体的な相談・支援を行う「障害者就業・生活支援センター」において、引き続き、リモート面談等に必要なポータブル機器やWi-Fi環境の導入等設備面の整備を行うほか、地域の支援機関等に対して蓄積したノウハウの提供等を通じて就業支援の推進を図る。(2)障害者の正社員化等に取り組む事業主への支援の充実﹇新規﹈﹇予定額98(0)百万円﹈【施策の概要】 障害者雇用に関する状況を見ると、直近の令和元年度においては、ハローワークの新規求職申込件数、就職件数ともに過去最高となっており、引き続き、障害者の就労意欲の高まりが見られる。令和元年の障害者の雇用者数も、平成16年以降、16年連続で過去最高を更新し、実雇用率も2・11%と8年連続で過去最高を更新し、障害者雇用は着実な進展が見られる。 一方で、障害者雇用率が令和3年3月1日に0・1%引上げられることを踏まえ、中小企業に対するより一層の支援が必要である。 あわせて、就労を希望する障害者についても、多様化が進んできており、希望や能力に応じて、活き活きと活躍できる職場環境の整備など、雇用の質に着目した取組も必要である。 中小企業の中には障害者を全く雇用していない企業(障害者雇用ゼロ企業)も多い状況にある。中小企業における障害者雇用が進み、身近な地域で働く選択肢が確保されることは、障害者が希望や特性等に応じた働き方を実現していくための重要な要素であると言える。 また、近年、雇用者数や就労希望者数が大幅に増加している精神障害者については、一般に職場定着に課題を抱えるケースが多く見られること等から、雇入れ支援に加えて、雇用された後の職場での定着支援についても更に充実・強化することが求められている。 さらに、ICTを活用したテレワークについては、政府全体で導入の推進を行っているところであるが、障害者においても、多様な働き方の推進や通常の職場での勤務が困難な者等の雇用機会の確保の観点から、障害者の雇用を促進するためにテレワークの推進を図る必要がある。 なお、公務部門の障害者雇用については、全ての国の行政機関が法定雇用率を達成したことを踏まえ、今後は採用された障害者の職場定着支援や支援体制づくりのため、ハローワーク等に配置する職場適応支援者による定着支援を引き続き推進する必要がある。 右記の状況を踏まえ、令和3年度予算案においては、①中小企業をはじめとした障害者の雇入れ支援等の強化②精神障害者、発達障害者、難病患者等の多様な障害特性に対応した就労支援の強化③障害者の雇用を促進するためのテレワークの推進④公務部門における障害者の雇用促進・定着支援の推進を主要な柱として、障害者に対する就労支援及び定着支援の充実・強化を図る。1 ハローワークにおける「チーム支援」等の実施による支援の充実・強化 ﹇予定額5、744(5、129)百万円﹈障害者に対する就労支援の推進 ~令和3年度障害者雇用施策関係予算のポイント~厚生労働省 職業安定局 障害者雇用対策課/人材開発統括官 参事官室(人材開発政策担当)令和3年度予算額 24、850(24、939)百万円※括弧書きは前年度(令和2年度)予算額※本誌では通常西暦で表記していますが、この記事では元号で表記しています26Ⅰ中小企業をはじめとした障害者の雇入れ支援等の強化

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