働く広場2021年5月号
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働く広場 2021.5援機関等との連携が円滑になった﹂︵69・8%︶でした(図1)。 企業在籍型ジョブコーチが回答した、実施している支援の頻度が最も多かった内容は、﹁人間関係、職場内コミュニケーション﹂︵82・6%︶であり、次いで﹁職務遂行﹂︵76・6%︶、﹁不安、緊張感、ストレスの軽減﹂︵63・0%︶でした(図2)。また、企業在籍型ジョブコーチとして業務に従事するなかで以前と比べて変わったこと︵自由記述︶として、﹁精神障害者や発達障害者の雇用が増えている﹂という記述が多く挙げられましたが、なかでも﹁仕事より、コミュニケーションやプライベート、体調に関する問題が多くなった﹂、﹁圧倒的に支援時間が多くなった﹂などの記述がありました。これらのことから、企業がさまざまな障害者を雇用するなかで、人間関係やコミュニケーションに関する支援の必要性が高くなっていることがうかがえました。(2)事業所訪問ヒアリング調査 企業在籍型ジョブコーチによる効果的な支援やそれを支える条件等を把握するため、アンケート調査協力企業等から31社を選定し、ヒアリング調査を実施しました。 企業在籍型ジョブコーチの職務内容は、障害者社員の特性に応じた職務再設計、キャリア形成およびコミュニケーションに対する支援が多くなされており、精神障害者や発達障害者に対してはメンタル面への支援が重視されていまし 企業に雇用される障害者が増加するなかで、障害者の職場定着を図るためには、企業自らが社内で障害者の定着を支援する体制を構築していくことが重要であり、企業在籍型ジョブコーチの配置は一定の効果があると考えられます。しかしながら、実際に企業在籍型ジョブコーチがどのような活躍をしているのか、その実態はあまり知られていないのが実状です。そこで、障害者職業総合センターでは、企業在籍型ジョブコーチの効果的な支援の進め方や課題解決のための条件整備等を検討することを目的として、企業在籍型ジョブコーチが所属する企業の管理職と企業在籍型ジョブコーチにアンケート調査および事業所訪問ヒアリング調査を行いました。 本稿ではその一部について紹介します。(1)アンケート調査2013︵平成25︶年度~2017︵平成29︶年度にジョブコーチ養成研修を修了した企業在籍型ジョブコーチが所属する企業のうち、調査への協力が得られた355事業所の管理職および企業在籍型ジョブコーチ877名を対象に質問紙調査を実施し、事業所248社、企業在籍型ジョブコーチ570人から回答をいただきました。 事業所の管理職が回答した、企業在籍型ジョブコーチを配置する前と比べて配置後の効果がある︵﹁とてもそう思う﹂と﹁ややそう思う﹂︶の回答が最も多かった項目は、﹁障害者を雇い入れた際に、職場適応がスムーズになった﹂︵81・1%︶であり、次いで﹁障害者の職場定着が改善した﹂︵78・7%︶、﹁外部の障害者支障害者職業総合センター研究部門 事業主支援部門★本調査研究報告書は下記ホームページからご覧いただけます  「調査研究報告書 No.152」https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku152.html企業在籍型職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)による支援の効果及び支援事例に関する調査研究1はじめに2調査結果の概要28

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