働く広場2021年5月号
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働く広場 2021.5た。また、職場の上司や同僚に対して障害者社員に対する理解の促進を図るとともに、障害者社員を職場で支援する社員へのスーパーバイズ等を通した人材育成をになっている事例も複数見られました。ほかにも、受け入れ準備段階にやキャリア形成に関することが挙げられましたが、これらの課題を解決している事業所に共通することは、企業在籍型ジョブコーチと人事総務等の協力体制が構築されていること、企業在籍型ジョブコーチや障害者職業生活相談員等が複数配置され相互に連携して支援していること、企業が障害者雇用に対する長期的なビジョンを描いていること等でした。 企業在籍型ジョブコーチは、企業の社員であるという強みを活かし、障害者の職務内容を理解した的確な支援、課題の早期把握とタイムリーで切れ目のない支援ができる人材です。本調査研究から得られた企業在籍型ジョブコーチの配置効果と課題をふまえ、企業在籍型ジョブコーチがより効果的に活躍するためには、①企業在籍型ジョブコーチの役割の明確化、②企業在籍型ジョブコーチのキャリアアップの仕組み、③企業在籍型ジョブコーチを支える社内のチーム支援、④企業在籍型ジョブコーチの支援スキルのブラッシュアップ、などの条件を整備することが必要であると考えます。 本調査研究の成果として、企業在籍型ジョブコーチが活躍する企業の事例をまとめた事例集(※1)および企業在籍型ジョブコーチの配置を検討する企業向けのリーフレット(※2)を作成しましたので、ぜひご活用ください。おける社内理解の促進から職場定着のための社内外の支援体制づくりに至るきめ細かな支援事例が多く見られました。 企業在籍型ジョブコーチを取り巻く課題については、企業在籍型ジョブコーチへの支援体制※1 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai66.html※2 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai67.html ◇お問合せ先:研究企画部 企画調整室(TEL:043-297-9067 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp)図1  企業在籍型ジョブコーチ配置の効果(上位5項目) [n=248](事業所の管理職が回答)図2  企業在籍型ジョブコーチが実施している支援内容(上位5項目) [n=570](企業在籍型ジョブコーチが回答)障害者を雇い入れた際に、職場適応がスムーズになった人間関係、職場内コミュニケーションとても思う多いやや思う少ないあまり思わない実施していない全く思わない無回答無回答障害者の職場定着が改善した職務遂行外部の障害者支援機関等との連携が円滑になった不安、緊張感、ストレスの軽減障害者の雇用管理体制が充実した職務内容の調整(仕事量・就業時間)障害者の体調不調がより早期に把握できるようになった基本的労働習慣00252550507575100(%)100(%)3 まとめ35.182.634.376.636.763.025.462.427.860.246.044.418.433.131.344.029.139.532.110.914.314.121.822.623.86.96.06.05.66.01.21.21.61.21.61.61.83.44.46.96.11.22.42.42.829

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