働く広場2021年5月号
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編集委員のひとことミニコラム第1回新コーナーコロナ禍に立ち向かう障害者雇用東京通信大学教授松爲信雄 今号より編集委員による「ミニコラム」を連載します。働く広場 2021.5ここ」(銚子市)が業務を受託。スタッフが店頭に立ち、障害のある人が包装紙や箱づくりで協力する。再開初日は、鉄道ファンらが列をつくった。たい焼きはあんとクリームの2種で、1個120円(税込)。当面は木〜土曜日の11〜15時に営業する。 障害者が働く就労継続支援A型事業所「Jジャンピンumpin,」(諏す訪わ郡ぐん富士見町)が、常温で3年間保存できるマフィンの缶詰を開発した。手軽に栄養補給ができるよう甘味を強くし、カロリーを高くした。保存期間だけでなく、おいしさも追求。パサつきを減らすため、マフィン内部に水分が残るよう焼き方を工夫している。 同事業所は2016(平成28)年からパンの製造と販売を続けており、今回は災害時にも安心して食べられるものをつくろうと開発。缶の上部には大きく賞味期限を表示した。缶詰を入れる段ボールは特注で、持ち運びや開封がしやすい構造にしている。同事業所の利用者がマフィンづくりや封入、納品までたずさわる。1缶2個入り550円(税込)で注文販売。問合せは同事業所へ。電話:0266ー78ー8823 国立富山大学で発達障害のある学生の支援に取り組む、アクセシビリティ・コミュニケーション支援室長の西にし村むら優ゆ紀き美みさんらが、『発達障害のある生徒・学生へのコミュニケーション支援の実際〜修学から就職後の支援まで』(金子書房)を出版した。発達障害のある学生の特性が大学在学中や就職後にどのように表れるかを整理し、当事者、支援者とのかかわり方と場面対応のイロハがわかる。富山大学における発達障害学生支援や高校生に対する大学体験プログラム、学生同士のコミュニケーション支援、芸術活動を通したコミュニケーション支援、就職活動、卒業後のコミュニケーション支援、就職活動支援からフォローアップ支援などをわかりやすく紹介。 B5版・174ページ、3080円(税込)就労継続支援A型事業所がマフィンの缶詰を開発長野本紹介『発達障害のある生徒・学生へのコミュニケーション支援の実際〜修学から就職後の支援まで』 障害者雇用に関する広報誌として国内で最大部数を発行する本誌は、1977(昭和52)年の創刊以来、通巻523号になりました。そうしたなかで、編集委員一同は、みなさまに知っていただきたい想いや目ざしている社会のあり方などをお伝えして、「ソーシャルディスタンス」を縮めたいとの願いを込めて、このコラムを設けました。 さて、新型コロナウイルス禍は、わが国の働き方改革を加速させているようです。企業はこれを契機として働き方を全面的に見直したり、メンバーシップ型から成果に対して報酬を支払うジョブ型へと人事制度を移行させる方向に進んでいます。 そうしたなかにあって、障害者雇用も、出勤とテレワークを組み合わせたハイブリッド型の働き方を模索していくことになるでしょう。ですが、「テレワーカー」になれる人は、かぎられた幸運な人たちともいえそうです。障害のある人の多くの職場は、まだ、集団的作業がおもな仕事形態だからです。 そうなると、今後の障害者雇用の現場は、どのように展開していくのでしょうか。いささか先行きに不安を感じることもあります。 その一方で、コロナ禍のさなかにあっても障害のある人の離職を最小限に留めようと努力されておられる事業主の方々が、技術革新のなかにあって新たな仕事のあり方を開発し、それらの情報を公開していただける時期も遠くはない、と期待しているところです。31

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