働く広場2021年6月号
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働く広場 2021.6そして、舘山さんは「休日には、なるべく体を動かしたり、ゆっくりお風呂に入ったりして体調安定に努めています。ただ、いまはコロナ禍で外出がままならず、むしろ会社に通うことで安定しているような感じです」と話してくれた。 岩いわ瀬せ未み宙ひろさんは2020年4月、初めて契約社員として新卒採用された。山﨑さんたちが特別支援学校を訪問し、職場実習生として受け入れたのがきっかけだ。配属先の管理部では、請求書の封入作業や郵便物の仕分け、会議室などの清掃を担当している。「働き始めたころは、作業に関する手順をいくつも覚えなければならず、慣れるまで苦労しました」とふり返る。部署内のスタッフ5人で、週1回の「業務ふり返りミーティング」も行っている。全員で共有する業務について、改善点など意見を出し合う場だ。「同じ作業でも互いに認識のずれが生じていることもあるので、このミーティングはとても役立っています」と岩瀬さん。週1回の面談でも、いろいろと相談しているそうだ。「職場での言葉づかいとか、ほかの社員さんとのかかわり方や距離感のつくり方など、迷うことが多いので」と新社会人らしい悩みを打ち明けてくれた。 沖縄オフィスは、全国から集まった契約書などの保管拠点だ。スタッフ16人(身体障害4人、知的障害1人、精神障害11人)とサポート社員3人で、書類の電子化やファイリングなどを行っている。現場のみなさんにオンラインで話を聞いた。入社9年目の比ひ嘉が紀のり子こさんは、もともと経理の仕事をしていたが、27歳のころに統合失調症と診断された。「それからは職を転々としていたのですが、ここは、いろんな方がいて話もしやすく、居心地がいいですね」体調がすぐれないときは、座ってできる作業を行うなど、柔軟に働かせてもらっている。「みんなから信頼される人になりたいので、日々の業務を一つひとつていねいに確実にこなして、自信につなげていくことが目標です」と話してくれた。末すえ吉よしあゆみさんは、入社3年目。統合失調症と診断されてから就労継続支援A型事業所に通い、業務時間を1日4時間から少しずつ延ばしてきた。「ここで働くときは6時間から始めさせてもらいましたが、1年経って7時間になりました。仕事量のノルマや、締め切りの時間もなく、毎日自分のペースで働特別支援学校から入社沖縄オフィスとも連携初の契約社員として新卒採用された岩瀬未宙さん。郵便物の封入や発送を担当している仕事をていねいに確実にこなすことを目標とする比嘉紀子さん※電子化された伝票のエラー修正を担当する池田直子さん※(※写真提供:日本テクノ株式会社)無理のないペースで働き、勤務時間を延ばした末吉あゆみさん※業務支援課長としてスタッフを支える大湾亜希子さん※8

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