働く広場2021年6月号
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働く広場 2021.6た。農業を通じて障害者が活躍できる場を生み出す「農福連携」の実現を目ざす。 安曇野みらい農園は、就労継続支援A型事業所として初年度に障害者を10人、3年目で20人雇用する計画。約3haの耕作放棄地を活用し、ニンジンとタマネギを栽培。収穫物はカット野菜に加工して総菜会社などに販売する。今秋以降はビニールハウスで「陸ワサビ」の栽培も始め、地元の大手加工メーカーに販売予定。 障害者の就労・生活支援に30年かかわってきた精神保健福祉士の北きた岡おか祐ゆう子こさんが『仕事だいじょうぶの本ー職場の人と安心してコミュニケーションできるSSTレッスンBOOK』(ペンコム刊)を出版した。 これまで就労移行支援事業所やハローワークなどで行ってきた実例をもとに、職場でのコミュニケーションの不安をソーシャルスキルトレーニング(SST)の技法を使って解決していくレッスン本。職場ですぐに役立つコミュニケーションのコツや、よい人間関係をつくる伝え方などを身につけることを目ざし、「困った場面」↓「対処方法」を実例で具体的に解説。声に出して読むことで、一緒にプログラムに参加しているように練習できる形式となっている。B5判128ページ、1980円(税込) 「公益財団法人日本障がい者スポーツ協会」(中央区)は、これまでの「障害者スポーツ」という呼び方を「パラスポーツ」に統一する。「障害者スポーツ」から連想される「福祉やリハビリのためのスポーツ」というイメージから、より競技性が高く障害の有無にかかわらず楽しめるスポーツとしての将来性を表現するため、一般の認知が広がってきた「パラスポーツ」を使うことに決めた。日本障がい者スポーツ協会の名称については今後、一般から意見を募るなどしたうえで変更するかどうかを検討する。このほか、日本パラリンピック委員会の2030年までの戦略計画も策定され、パラリンピック出場選手を発掘する専門チームの設置や、全国の75%以上の学校で特別なパラ教育を進める予定。 JRや大手私鉄などを含む全国123社の鉄道会社で、障害者手帳アプリ「ミライロID」が導入され、障害者手帳の代わりに利用可能となった。 「ミライロID」は、「株式会社ミライロ」(大阪府大阪市)が提供する障害者手帳の所有者を対象としたスマートフォン向けアプリ。障害者手帳の情報、福祉機器の仕様、求めるサポートの内容などを登録できる。公共機関や商業施設などミライロIDを本人確認書類として認めている事業者において、障害者手帳の代わりに提示すると割引きなどを受けられる。利用者にとっては、手帳をかばんから取り出すなどの手間が省け、紛失のリスクも軽減できる。 障害者がつくった藍あい染ぞめ・刺し子・織り製品を販売する、「就労継続支援B型事業所ファクトリー藍」の出張所「ファクトリー藍SHOP」が、世田谷区の下北沢駅近くにオープンした。 運営する「社会福祉法人藍」(世田谷区)は1983(昭和58)年に藍染め工房を設立し、レストランやグループホームも運営。藍染め工房には約30人の利用者が通い、ストール、ハンカチ、ポーチなどをつくっている。約19㎡の店内には、若者向けにつくったワンピースやワイシャツなど70種類以上の商品が並ぶ。 営業時間は月〜木曜日が12時〜19時、金〜日曜日・祝日が12時〜17時。http://www.aikobo.or.jp/factory.html ソバ栽培を手がける「株式会社かまくらや」(松本市)は、農業分野で障害者を雇用する子会社「株式会社安あ曇ずみ野のみらい農園」(安曇野市)を設立し障害者スポーツの名称を統一「パラスポーツ」に東京障害者の藍染め工房の直営店東京ソバ栽培で「農福連携」長野「障害者手帳アプリ」全国の鉄道で大阪本紹介『仕事だいじょうぶの本ー職場の人と安心してコミュニケーションできるSSTレッスンBOOK』生活情報働く30

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