働く広場 2021.7商品をリストに従って在庫からピックアップし、カートへと積み込む商品名と箱数が記入されたピッキングリストそれぞれの仕事量を検討し、ピッキングリストを配布する髙﨑雄大さん(右から2人目)サントリービバレッジサービス株式会社は、おもに自動販売機を通じ、飲料や食品などの販売を行っている。東京都板橋区にある東京北支店では、知的障がいのある3人の社員が、同支店の倉庫で自動販売機に補充する飲料を集めるピッキング作業を担当している。同支店には配送ルートが約20あり、倉庫に置かれた在庫のなかから3人で手分けして商品をピックアップし、ルートごとのカートに積んでいく。飲料の入ったダンボールは一箱10 を超えるものも多く、力任せに作業を行うと梱包が崩れて商品に傷がついてしまうため、ていねいな仕事が求められる。また、同じ商品名でも容量が違うものなどがあるため、注意して商品をピックアップしなければならない。入社2年目の大おお津つ唯ゆい人とさん(21歳)は、「ピッキングした飲み物が、自動販売機を通じてお客さまに届くことをうれしく感じます。この作業の先にいるお客さまを意識して、ていねいな仕事を心がけています」と話してくれた。支店長の栗くり本もと圭けいさんは、「3人のおかげで拠点がうまく回っています。彼らの働きが、ルートセールスの労働時間短縮にもつながっています」という。以前は、ルートセールスが補充を終え支店に戻ったあとに、翌日の補充分を自らピックアップし、トラックに積んでいた。いまでは、それを彼らが行うことで、ルートセールスの時間的余裕を生み、業務効率の向上につながっているのだ。入社2年目の三みつ野の響ひびきさん(21歳)は「体を動かす職場で働きたいと思っていました。この仕事を続けていきたいです」と話す。これは、彼ら3人に共通する思いだ。そして、入社3年目の髙たか﨑さき雄ゆう大とさん(22歳)は、「将来は、自動車の運転免許やフォークリフトの資格を取り、自動販売機の補充を行うルートセールスとして働きたいです」と夢を語ってくれた。★本誌では通常「障害」と表記しますが、サントリービバレッジサービス株式会社様の希望により「障がい」としています16
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