働く広場2021年8月号
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働く広場 2021.8ステップ1:金額・日付・社名をチェックステップ2:科目・源泉税をチェックステップ3:請求書の原本を確認テレワークで行うことができる作業➡出社時に行う作業が多いのですが、このように業務のフローを見直すことなどにより、在宅でできる仕事を増やす余地はあるのではないかと思います」と丸井さんはいいます。  「テレワークの導入は、精神障害や発達障害のある人が多い経理業務グループのメンバーには、メリットを感じることが多かったです」と、経理業務グループ第1チームサブリーダーで、ご自身も精神障害のある岡本拓也さんは語ります。 「他人との関係性に気を遣うことなく、マイペースに仕事ができる点がよいと感じました。いままで、体調が悪いと欠勤になっていた人が、在宅ならば業務ができるという場合もあり、出勤率が前より高くなった例もあります」 フォローが必要だと感じている人や希望者には、毎日決まった時間に、音声通話やビデオ通話で、岡本さんと1対1での面談を実施。困りごとがないかなどを確認しているそうです。 「何かあったときにいつでもすぐに相談できる人がいること、それが可能な関係性ができていることが大きな安心材料になっていると思います」 同社がスムーズにテレワークを実施できている背景には、障害者雇用の仕組みづくりでつちかったノウハウも役立っていると、丸井さんは分析します。 「当社では以前から、業務一つひとつを、作業レベルに徹底的に分解するということが行われていて、手順、判断基準などが、マニュアルなどで“見える化”されています。障害という働くうえでの制約や、個々の障害特性を前に、どうしたらうまく業務が進められるのかという視点で取り入れられてきた仕組みなのです。このことが、スムーズな業務フローの見直しにつながるなど、テレワークの実施時にもよい方向に働きました」 同社の取組みには、障害のある人がテレワークで活躍するためのヒントがたくさん見られ、多くの企業で取り入れられそうです。図2 業務フローの変更例ステップ1:金額・日付・社名をチェックステップ2:科目・源泉税をチェックステップ3:請求書の原本を確認扌扌扌扌扌承 認承 認 支払い(月末) 支払い(月末)テレワーク導入前テレワーク導入後必要に応じて、個々にフォロー障害者雇用のノウハウがテレワークにも役立つ※パーソルチャレンジ株式会社の資料より編集部作成図1 オンラインコミュニケーションツールの画面チャットやビデオ通話などで、連絡を取り合う。「直接顔を合わせたときよりも、質問などがしやすい」という声もきかれる(提供:パーソルチャレンジ株式会社)11

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