働く広場2021年8月号
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働く広場 2021.8カーブミラーを指差喚呼し、安全を確認したうえで進む建物内の見通しが悪い場所にはカーブミラーが設置されている清掃に使うタオルなどを分別し収めることができるウエストポーチ清掃用具を使い分けながら、シャワー室の壁面を磨く吉村洵紀さん「東急株式会社」の特例子会社である「株式会社東急ウィル」の元住吉事務所では、知的障がいのある社員が、鉄道事業関連施設などの清掃作業や、リネン類のクリーニング業務を行っている。「行ってきます」、「行ってらっしゃい」。清掃班が元気な挨あい拶さつを交わして向かったのは、東急電鉄で働く運転士や車掌、車両の整備を行う職員が利用するシャワー室やトイレ、事務所などだ。タオルを使い分けながら洗面台の鏡を磨いていた池いけ田だ佑ゆう司じさん(24歳)(15ページ写真)は、「汚れがきれいになるとうれしい。お客さまに喜んでもらいたいです」と語る。同社では施設の利用者を「お客さま」と呼び、お客さまが施設を気持ちよく使えるよう、ていねいな清掃を行っている。吉よし村むら洵じゅん紀きさん(25歳)は以前、清掃作業中に洗面台のグラつきに気づき、「落ちたら危ない。お客さまがけがをしてはいけない」と事務所へ報告。事故を未然に防いだとして会社から表彰された。運転士などが利用する仮眠室のシーツや掛布団カバーなどのクリーニング業務では、シーツなどを大型洗濯機に投入する際、クリーニング班全員が声をかけ合いながら協力し、作業にあたっている。同社のモットーは「明るく元気な挨拶をしよう」、「仲良く助け合い、楽しく仕事をしよう」である。入社12年目の皆みな川かわ大ひろ樹きさん(29歳)は、「班のみんなと協力し合うことを心がけています」と語る。「いろいろな作業をこなせる皆川さんは、あこがれの先輩です」と話すのは、入社6年目の小こ磯いそ尚しょう悟ごさん(24歳)。二人はクリーニング用機器の注油や水抜き作業のメンテナンスを任されるなど、上司からの信頼も厚く、クリーニング班を引っ張る存在として、意欲を持って業務にあたっている。★本誌では通常「障害」と表記しますが、株式会社東急ウィル様の希望により「障がい」としています16

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