働く広場2021年9月号
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働く広場 2021.9テレワークを体験したコラボレイティブセンターのメンバーに聞きましたクでしたが、「メンバーは一生懸命に業務や課題に取り組み、また、時間管理なども自律的に行うことで、2カ月ぶりに出社したときには、ひとまわり大きく成長したように感じました」と平岡さんは話します。  「これは、ひとえに、メンバー自身の力だと私は感じています。私たちサポートスタッフは、メンバーの持っている力や可能性を信じ、一方的に限界を決めつけないように心がけています。サントリーでは、創業者の言葉である『やってみなはれ』の精神が大切にされており、社員が『挑戦すること』の後押しをするような文化があるのですが、それは、知的障害がある人も同じで、普段から、新しい仕事や経験にどんどんチャレンジしてもらっています。テレワークへの挑戦も、メンバーにとっては大きなチャレンジの一つでしたが、約2カ月間、無事にやり遂げたことで、自信につながる経験となりました」 同センターでは、その後も状況に応じて、テレワークを実施。テレワークに対応できるパソコン業務を増やすために、グループ内の各部署に働きかけ、新規業務の開拓も行ったそうです。その結果、「一時は大きく減ってしまった業務量が再び増加し、同センターへ仕事を依頼した部署への貢献度についての、その年の年間数値目標も達成することができました」と、平岡さんは教えてくれました。 「現在では、テレワーク中のすべての時間を業務にあててもらっています。テレワークは、それまで予想もしていなかったまったく新しい働き方へのチャレンジでしたが、メンバー一人ひとりの成長につながるよい機会になったと思います」他部署の社員が講師となる勉強会やリモートランチ会・飲み会を開催したりするなど、在宅でもコミュニケーションをしっかりととり、生活リズムを整えることを意識しました。出社を再開する際には、会社の産業保健スタッフと連携し、あらためて感染予防策についてのセミナーを行うなど、メンバーが不安に感じないようきめ細かく対応しました」 不安なままスタートしたテレワー図1 緊急事態宣言期間中に使った「計画表」[テレワークの様子]◆Sさん(入社3年目) 最初は不安でしたが、最近はテレワークにも慣れてきました。テレワークをする前日などに、サポートスタッフとどのようなスケジュールで業務にあたるのかを相談しています。テレワークでも仕事ができるという自信がついてよかったと思っています。◆Yさん(入社1年目) 先輩社員がテレワークをしているのを見て、自分もやってみたいと思いました。一人で仕事をするのは少し寂しかったのですが、テレワークではパソコンで行う仕事をして、出社したときには会社でしかできない仕事ができるので、今後も両方やっていきたいです。計画表振り返り●月●日(●)時間計画実際に行ったこと朝礼(Teams)1時間目9:00~9:50 依頼業務 PC業務休憩時間(席を立って、ストレッチや運動、気分転換をしましょう)2時間目10:00~10:50 依頼業務 PC業務休憩時間(席を立って、ストレッチや運動、気分転換をしましょう)3時間目11:00~11:50 依頼業務 PC業務12:00担当スタッフに業務終了連絡(メール)12:00~13:00昼食・ラジオ体操13:00担当スタッフに業務開始連絡(メール)4時間目13:00~13:50 依頼業務 PC業務休憩時間(席を立って、ストレッチや運動、気分転換をしましょう)5時間目14:00~14:50 依頼業務 PC業務休憩時間(席を立って、ストレッチや運動、気分転換をしましょう)6時間目15:00~15:50 漢字勉強(6級) 漢字勉強6級の練習書き休憩時間(席を立って、ストレッチや運動、気分転換をしましょう)7時間目16:00~16:50 タイピング練習 (タイピング)  寿司打:練習5000円コース・ 普通3000円コース休憩時間(席を立って、ストレッチや運動、気分転換をしましょう)17:00~17:20日報を記入し、スタッフに提出終礼(Teams)知的障害者の可能性に限界を決めつけない年間の目標もクリア店頭に置く応募はがきに締め切りのタグをつける業務(提供:サントリービジネスシステム株式会社)1時間目~7時間目まで自分が何を行うか、事前に計画を立てて実行しよう!パソコンへの入力業務11

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