働く広場2021年9月号
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化、効率化に取り組んでいた。そこには効率化や標準化を必要とするさまざまな業務が「集まって」きていたのだ。越田さんは、「この仕事の一部を障害のある社員の仕事としてはどうか」と考えた。 越田さんは早速、グループ企業である東急リバブル株式会社の障害者雇用の現場を見学に行った。そこでは60人を超える精神障害や発達障害のある社員たちが活き活きと仕事に取り組み、社内のさまざまな部門の業務を請け負い、自分たちで管理をしながらきちんと成果を生み出していた。これをみて、「業務改善プロジェクトと障害者雇用を一気通貫で進められる!」、越田さんはそう確信した。 これを機に、「チャレンジプロジェクト」と名づけられた新しい形の障害者雇用プロジェクトが立ち上がった。「従来型」と異なるのは、「障害のある社員が力を発揮する仕事を所管会社全体から切り出すこと」︵業務改善プロジェクトの発想と同じ︶、「働きやすい環境を用意すること」、「業務プロセスの見直しや標準化を同時並行で進め、戦力として期待していくこと」である。2021︵令和3︶年6月現在、ウェルネス事業各社の障害者雇用の推進があったのだ。 「従来型の障害者雇用」とは、障害者を各部門に配属していくスタイルのことである。以前は「障害特性もわからず、配慮も十分ではなかった」ため定着率も上がらず、活躍のステージまで持っていくのもむずかしかった。「うまくいかなかった経験」がさらに災いして、障害者の受入れに現場は消極的にならざるを得ない状況も。増員しようにも「仕事がない」、「うちの部署ではむずかしい」状態に陥り、「これ以上の採用を進めるのは限界」というコメントになった。 実は、以前から事業戦略部とウェルネス事業ユニットの所管会社が共同のプロジェクトで、バックオフィス業務の標準 「所管会社すべてが法定雇用率を達成することは絶対条件だが」と前置きしたうえで、東急不動産株式会社ウェルネス事業ユニット事業戦略部統括部長の越こし田だ隆ゆたかさんはこういった。「従来型の障害者雇用には、限界を感じていた」 事業戦略部のミッションの一つは、同ユニット所管会社の事業課題の解決を図ることである。その課題の一つに所管会社所管会社共同で進めていた「業務改善プロジェクト」と障害者雇用が出会う所管会社の障害者雇用推進が課題だった東急不動産ウェルネス事業ユニット共同で取り組む新しい障害者雇用「チャレンジプロジェクト」が発足働く広場 2021.9東急不動産株式会社東急不動産株式会社ウェルネス事業ユニット事業戦略部統括部長の越田隆さん所管会社各社の障害者雇用の推進と業務改善プロジェクトの出会い所管会社が共同で取り組む障害者雇用「チャレンジプロジェクト」を発足中小企業が共同して障害者雇用に取り組む「有限責任事業組合(LLP)」123POINT21

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