働く広場2021年9月号
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編集委員のひとことミニコラム第5回「懐かしい日常」への想い株式会社FVP代表取締役大塚由紀子※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)も大塚委員が執筆しています。 ご一読ください。働く広場 2021.9このたび手記を書籍化。就職、転職、就労継続の3章に分けて、見え方や経歴などの異なる銀行員や医師、司法書士、会社員らが、就労にまつわる経験や思いをつづっている。視覚障害者とともに働くための情報も収録。音声で聞くことができるテキストデータ引換券つき。A5判400ページ、2750円(税込)。 キャリアアドバイザーの銀河さんが、自身の経験を活かした『「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本』(扶桑社刊)を出版した。 上智大学卒の銀河さんは、ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)の当事者。営業職としてキャリアをスタートするも約1年でうつ病を発症。やがて復職し、発達障害の強みを活かして営業成績2位を収めた経験を持つという。現在はキャリアに悩む人への転職サポートのほか、キャリアや生活で悩む発達障害の人へのコーチングも行っている。 本書では、「最適なパターンさえ見つければ仕事はうまくいく」、「非常識力をアイデアの源泉に」など、発達障害を「資産」に変える50のコツを紹介している。四六判288ページ、1650円(税込)。『「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本』 本号が発行されるころは、パラ五輪の真っただなか。そのころの新型コロナウイルスの状況については想像もできないが、安全に開催され、世界中のパラアスリートたちが悔いなく試合に参加できていることを祈るばかりだ。 ワクチン接種が進み、新型コロナウイルス感染症が収束しても、ジョブ型雇用やテレワークなどの流れは止まらないだろう。障害者雇用ももちろんその流れのなかにいる。非対面、非接触での新たな業務の開発に取り組み、成果を感じている企業の方もいらっしゃるだろう。障害のある社員にはむずかしいと思っていたが、やらざるを得ない環境でやってみたらできた。従来のスタイルには無駄や非効率があったことも教えられた。新型コロナウイルスがもたらしたよい面だともいえる。 ところで、大人数での会議、出張、職場の飲み会。最後に行ったのはいつだろう。それくらいご無沙汰している。「時間的、体力的にはずいぶんと楽になった」といいたいところだが、そうでもない。実は満員電車に乗って通勤するより、テレワークの方が疲れを感じる自分がいる。「新しい日常」への適応力が低いのかもしれない。 名刺交換の儀式、職場で交わす何気ない冗談、会議で意見が一致したときに漂う空気(その逆もあるが)、仕事終わりに行く居酒屋。無駄も多く非効率だったかもしれないが、働くうえで、働き続けるうえで、癒しや支えになっていたことに気づかされる。 でも「対面がいい。オンラインは苦手」といいにくい空気が、世の中にまん延しているのはつらい。 コロナ禍で、障害のある社員の体調が不安定になったとも聞く。日本にかぎっては、若い人の自殺も増えているそうだ。「新しい日常」に加えて「懐かしい日常」も取り戻したい気持ちがある。そんな今日このごろである。青森北海道大分石川徳島山口山梨岐阜神奈川2021年度地方アビリンピック開催予定北海道、青森県、福島県、神奈川県、新潟県、石川県、山梨県、岐阜県、山口県、徳島県、大分県*部門ごとに開催地・日時が分かれて いる県もあります*  は開催終了9月~10月地方アビリンピック検索※全国アビリンピックが 12月17日(金)~12月20日(月)に、 東京都で開催されます。※新型コロナウイルス感染症の影響により、変更する場合があります。福島新潟31

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