「働く広場」2021年10月号
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働く広場 2021.10自動倉庫からコンベアにより運ばれてきた商品を受け取る河津右京さんコンベアの上をコンテナが行き交うASKUL LOGIST株式会社 福岡物流センター 「AアスクルSKUL LロジストOGIST株式会社」は、事業所と一般消費者向けに通販サービスを手がける「アスクル株式会社」の子会社であり、物流センター業務、配送業務をになっている。福岡物流センターは、九州全県と中国地方の配送を担当する拠点だ。同センターは、2020(令和2)年度「障害者雇用優良事業所」として当機構の「理事長努力賞」を受賞。ピッキングや梱包、補充棚入などの作業に従事する障害のある社員(以下、「メンバー」)2人も「優秀勤労障害者」として、同じく「理事長努力賞」を受賞している。福岡物流センターでは、2012(平成24)年3月に特別支援学校からの新卒者を初めて採用。受賞した2人はその一期生だ。彼らの活躍が契機となり、その後、毎年採用が続いている。商品補充業務を担当する河かわ津づ右う京きょうさん(28歳)は、メンバーをまとめる“キャプテン”を任されている。「キャプテンになってからも、メンバーから相談されたことに対して、即時に対応できないこともあり、苦労しています。表彰してもらえると思っておらず、驚きました。日々の努力が認められたことにうれしく感じています。今後も、ずっと働き続けたいです」と語る。ピッキングを担当する久ひさ田だ恵けい祐すけさん(28歳)は、「やりがいのある仕事です。お客さまからクレームが出ないように、気をつけて作業しています。働き続けられていること自体がうれしいです。受賞は日ごろの努力が報われたと感じています。社会のために役立っているように思え、本当にうれしかったです」と語る。上司である副センター長の坂さか井い博ひろ基きさんは、「知的障害や発達障害のある人は、言葉だけの説明では理解するのがむずかしい場合も多く、図や絵で説明することも必要です。ていねいな対応をしていくことで、お互いのコミュニケーション、マネージメント能力が向上し、職場内での人間関係も良好になります。障害者雇用率とともに、作業生産性が年々向上し、障害のある社員が、欠かせない戦力となっています」と語る。16

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