「働く広場」2021年10月号
27/36

 4社のお話から、MHSWが日ごろどのような業務をされているかを知ることができ、とても有意義な座談会でした。 私の少ない経験では、医療機関・福祉機関で働くMHSWは当事者への個別支援と周辺の機関とのパイプ役が主業務だと認識していましたが、企業内ではマネジメント支援(障害のある社員の上長への支援)が必須で、まさに、専門性を必要とされている業務だと感じました。それは、障害のある社員とのかかわりを、一部の方に限定するのではなく、全社をあげてかかわり、一緒に働いていく時代に入ってきたからこそ、全社的な環境整備が求められているので、とても喜ばしいことと思います。 障害のある方にとっても働くことは、人生において大きな意味を持っているので、今後多くの企業に、就労を支える専門職の力が発揮されるとよいと思いました。 今回、ご参加いただいた4社は、限定したわけではありませんが、すべて特例子会社でした。やはり特例子会社は先進的な事例をつくり出していく役割もあり、今後このようなよい取組みが、一般企業にも浸透していくことを期待しています。援の組織力アップを図りたい。それと、社会には「働きたい」という障害のある方がまだまだたくさんいらっしゃると思うので、一会社内の取組みではありますが、そのような方々に、勇気と希望を感じてもらえるような働きをしていきたいと思います。網代 会社にとっても本人にとっても、大切なのは不調の予防だと思います。私は、障害のある社員が不安になったときに、ちょっと立ち寄れて、少し休んで回復し、元気になってまた働くことができるようなリワーク室をつくりたいと思っています。五味渕 専門的な視点を持って多角的なサポートをすることで、会社全体の障害者雇用が円滑に機能していくことに注力していきたいと思います。障害者の個別相談にとどまらず、会社のなかで、どういう立ち位置で活動していくかということが、専門職が存在するグループの新たな価値の創出につながると考えています。障害者雇用がさらに進み、みんなが笑顔で働きながら、かつ会社の発展につながることを間接的にサポートできる組織づくりに取り組んでいきたいです。そのように活躍できる専門職が、企業のなかで期待されている役割だと思います。をしっかり認識して、本人にとって本当に必要な支援は何なのかを見きわめることが大切だと思っています。三鴨 定着支援が始まって3年くらいだと思いますが、会社と支援機関との情報共有についてはまだ課題が多いのではないでしょうか。五味渕 支援機関担当者の業務時間内に情報共有しなくてはならないので、タイミングが合わないこともあります。もう少し、柔軟かつ円滑に情報共有できるようになりたいですね。三鴨 今後、MHSWに期待される役割や、やっていきたいことなどをお聞かせください。城 メンタルヘルス対策の予防研修などを実現したいです。(世の中の)MHSWに対しては、障害のある方の自己実現を応援する仲間として、就労支援のさまざまなサービスや障害者雇用のことをもっと知ってもらいたいと思います。冨賀 安心して長く働ける職場環境づくりを第一にやっていきたいです。弊社はいま、組織拡大にともなう大きな変化のなかにあり、その変化に合わせた適切な支援ができる仕組みづくりや、チーム支今後期待される役割や、やりたいこと座談会を終えて働く広場 2021.10ベネッセビジネスメイトの網代さんは、指導員向けの研修なども行っている(写真提供:株式会社ベネッセビジネスメイト)楽天ソシオビジネスの五味淵さんは、多角的なサポートをめざしている(写真提供:楽天ソシオビジネス株式会社)25

元のページ  ../index.html#27

このブックを見る