「働く広場」2021年10月号
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働く広場 2021.10展開している。コロナ禍でも、予約枠を減らし手袋を使うなど感染防止対策をして営業を続けている。ヘルスキーパー4人のうちの2人に話を聞いた。2019年入社の内ない藤とうさん(26歳)は、筑波大学附属視覚特別支援学校であん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師の免許を取得。別企業から転職してきたが、「ここでは入社後、ヘルスキーパーの同僚4人で一緒に技術向上のための研修を受けられました。また日ごろも2人で運営するので、施術しながら相談し合えるのがとてもよいです」と話す。勤務先の天王洲ビルには、JAL社員が仕事の合間をぬって訪れ、常連も増えた。それだけに心がけていることがあると内藤さんは話す。「その日の状態で、どんな施術が必要か把握するようにしています。実際に触ってみて腰に原因があることに気づいても、『肩が痛い』という訴えがあれば、それにも応えられるようにしています。施術後に、『楽になった』といわれるのが何よりのやりがいですね」羽田空港内で働く伊い山やまさん(24歳)は、筑波技術大学であん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師の免許を取得し、新卒で2019年に入社した。ここには乗務員のほか整備士や事務職も訪れる。施術時は、体に違和感がないか会話をしながら確認することを心がけているという。「大学の授業と違い、実際には人によって症状も程度も違うので、内藤さんたちに相談したり、情報を共有し合ったりしてスキルアップに努めています」またJALグループが推進する健康経営の一環として、JALサンライト社員から提案された「Wウェルネスellnessストレッチ」のプログラムを内藤さんたちが開発。体の部位に合わせて10数種類あり、在宅勤務者らを中心にオンラインで実施されている。JALサンライトは、社員の健康維持を目ざした活動も展開しており、2019年、2020年と連続で「健康経営優良法人ホワイト500」(※2)に認定されている。JALグループでは「本気の!ラジオ体操」という職場で行うラジオ体操を推奨しており、JALサンライトは2020年度に実施された全社動画コンテストで優秀賞を受賞したそうだ。一連の企画にたずさわった、総務部人事グループで就労支援アドバイザーを務める田た口ぐちさんは「ホワイト500認定は、大規模法人部門の単独申請では特例子会社として初めてだと思います」と胸を張る。ちなみに田口さんは、JAL在籍時に自力で社会福祉士の資格を取得したという経歴の持ち主。2019年にJALサンライト出向後は、実習生受入れから採用、定着支援、相談支援、社内研修など幅広く担当している。 JALサンライトでは、知的障がいのある社員の多くが、総務センター事務サ自走できるチームへ6月に入社し、ネイルサロンで働く池田さんヘルスキーパーの内藤さんヘルスキーパーの伊山さん(写真提供:株式会社JALサンライト)総務部人事グループ就労支援アドバイザーの田口さん天王洲ビルのマッサージルームで働く内藤さんヘルスキーパーの施術は、乗務員や整備士から好評だ(写真提供:株式会社JALサンライト)※2 健康経営優良法人ホワイト500:経済産業省が2016年に創設した認定制度「健康経営優良法人」のうち、大規模法人部門の上位500位以内に認定された法人7

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