働く広場2021年11月号
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働く広場 2021.11年齢や障害の有無にかかわらず、だれもが脱ぎ着しやすいユニバーサルファッション。そのデザインを、上司や支援員とともに検討する鳥羽さん(中央)は、社内メール便の仕分け作業も担当している店舗で制服として使用されるジーンズの裾上げ作業。厚く固い生地をていねいに縫っていくホームセンターを全国展開する「株式会社カインズ」の障害者雇用は、全国の店舗における雇用を中心に行われてきたが、カインズ本部での障害者雇用は進んでいなかった。そこで、商品情報の登録などをメインに請け負う子会社であった「株式会社カインズ・ビジネスサービス」を、2015(平成27)年3月に特例子会社化し、本部内業務における障害者雇用を積極的に進めてきた。現在では、社内メール便の仕分け、備品のピッキングから出荷、カインズ従業員用制服の生産管理、縫製製品の企画・生産・販売管理、農業機械の修理業務、レーザー加工機でのステンシルシートの作成など、多岐にわたる業務において、さまざまな障害のある社員14人が活躍している。入社7年目で、知的障害のある鳥とり羽ばさんもその一人だ。鳥羽さんは、メール便の仕分け、ミシンを使ったジーンズの裾上げや洋服の製作などを担当しており、「作業内容を取り違えたり、読み間違えたりしないように、一つひとつていねいに仕事をすることを心がけています」という。発達障害で場ば面めん緘かん黙もく症しょうのある清し水みずさんは入社6年目。レーザー加工機を使いステンシルシートを作成しているほか、データ入力なども担当している。「わからないことがあったときに、言葉が出なかったり、はっきり伝えることができず苦労しました。いろいろな仕事を経験していくうちに、事前に考えてから聞けるようになりました」と話す。名刺作成や刺繍などを担当する内うち田ださんは聴覚障害があり、口話や手話、筆談などを駆使しコミュニケーションを図っている。入社3年目の内田さんは、職場実習の際に「社員のみなさんが最後まで話を聞いてくれるなど、対応がよかったことが決め手となり入社を決意しました」と教えてくれた。同社では、ユニバーサルファッション事業の立ち上げを計画するなど、新たな挑戦が続いており、今後も障害のある社員の活躍の場が広がっていく。16

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