働く広場2021年11月号
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していただいた。各階ともに仕切りなしのオープンスペースで、机がグループごとに配置され、職員がそれぞれ担当しているデスクワークを行い、テレビや映画に登場するようなオフィス空間そのものだった。 机の配置は車いす移動に配慮して通路が広く確保され、障がい者トイレの使用状況がわかる表示板や、職員が疲れたときに周りを気にせずゆっくり休息できるリラックスルーム、意見箱、「いいね!カード」の投函箱、ポスターが貼られている掲示板が設けられていた。 また、スミセイハーモニーはコロナ禍でのオンラインによる業務展開が困難なことから、フレックスタイムによる時差出勤を行っている。見学した時間帯が午後4時を過ぎていたので、午前8時から出社したグループの人たちが終業のミーティングを行っていた。  「スミセイハーモニーは設立当初から聴覚障がいのある職員が多く働いているので、職員の“手話教育”に力を注いできました。手話以外のコミュニケーション手段として、筆談や口話、最近はスマートフォンやパソコンなどで使える音声変換ソフト(UDトークなど)がありますが、私自身、手話は生活のなかで使える“身近なコミュニケーション”という思いから、現在も会社内の手話普及に努力しています。その取組みは、毎日部署ごとに行われる朝礼で『5分間手話講座』の開催や、職員に貸与されているタブレット端末でいつでも視聴できる『手話講座』のDVD教材の作成、さらに、手話検定試験合格に向けた試験対策講座などに取り組んでいます。 また、2年前から聴覚障がい以外の障がいについて学ぶ勉強会を開催し、職員みんなが『障がいを理解する』ことを目的としています。昨年は、精神・発達障がいをテーマに勉強会を開催しました。講師は委員会メンバーが担当して、社内の当事者から体験などを聴きながら勉強会で使用する資料を作成しています」 住友生命本社ビルの6階、7階にあるスミセイハーモニーを、人事総務部人事教育課業務推進役の梶かじ原わら明あき子こさんに案内票審査による表彰式も含める)などに取り組んでいる。③職場体験会は、所属している部署を離れ、異なる部署の業務を体験しながら、職員それぞれの役割や業務内容を学び、会社全体を理解することを目的に、11月、12月、翌年の1月の3カ月間行われている。 職場活性化委員会の委員長の坂さか本もと義よし仁ひとさんは、「これら3つの活動を通して、社員間の相互理解と親睦が深められるように、会社のムードメーカーのような存在を目ざしていきたい」と、熱意のこもった説明をしてくれた。●職場コミュニケーション向上委員会 この委員会は、職場内における職員同士のコミュニケーションの向上を図ることを目的にしている。 委員会の説明をしてくれた委員長の鎌かま田だ大だい地ちさんは、自らの聴覚障がいについて手話通訳を交えて次のように語ってくれた。社内見学働く広場 2021.11感謝などを伝えるのに使われる「いいね!カード」職場活性化委員会が作成している社内誌「すまいるはーもにー」職場活性化委員会の(左から)内うち田だ隆たか敏としさん、坂本義仁さん、永なが田た千ち鶴づるさん職場コミュニケーション向上委員会の(左から)奥おく野のひとみさん、中なか島じま健けん司じさん、鎌田大地さん社内に設置された「いいね!カード」や意見の投函箱23

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