働く広場2021年11月号
26/36

とで互いに絆が深まり、職員一人ひとりの向上心にもつながっていると思う。障がいにこだわらないことで、互いに支えあえると思います」と、坂本さんの元気なコメントをいただけた。                                最初のテーマ「4つの委員会の目的」は、スミセイハーモニーの企業理念(図)そのものであり、会社全体がそれを実現することを目標としている。スミセイハーモニーは、会社の縦割り組織(役員、管理職、職員)とは別に、横のつながりを強化した組織(委員会組織)をつくり、その活動から職員一人ひとりたので、一家の大黒柱としてがんばらなければならないと自分を励まし、精神的に落ち込むことはなかった」そうだ。「自分ががんばれたのは、やはり家族のおかげ」と、家族に対する感謝の気持ちが坂本さんの支えになっている。 事故後は知人の紹介により、ある会社で契約社員として再スタートしたが、「自分がやりたい仕事を見つけたい、正社員として働きたい」という気持ちからハローワークを訪ねたり、会社説明会などにも参加した。スミセイハーモニーとの出会いで、やっと自分がやりたいことが見つかり就職することができた。入社5年目、保全グループで毎日の仕事に励んでいる。︻委員会活動︼ 職場活性化委員会で委員長を務め、先ほどの委員会説明もしてくれた坂本さんに、一職員として委員会活動をどのように感じているか、あらためて意見を述べてもらった。同席している田中さんにもわかるようにと坂本さんは手話を交えて次のように語った。「最初は自信がなかったのですが、車いす生活者の視点から、社内の環境、例えば通りやすい空間づくりなどを提案してそれらを実現することができました。また、職場ではコミュニケーションがとても重要なので、コミュニケーションを通して職員が互いを知ること、理解するこ 委員会活動メンバーとして活躍する2人に、インタビューをお願いした。●田た中なか美み由ゆ樹きさん︻入社したきっかけ︼ 聴覚障がいのある田中さんは、学生のときにスミセイハーモニーで実習を行った。その際に、多くの職員が手話を使っていたのがとても印象に残り、「働きやすい」と感じ、迷わずスミセイハーモニーに応募したそうだ。入社3年目になるが、電話応対も周りの職員がみんなで助け合って対応するので、実習のときに感じた「働きやすい」という実感は、いまも変わっていないという。︻委員会活動︼ 昨年から、職場活性化委員会のメンバーになった。「コロナ禍でのイベント企画はたいへんで、戸惑うこともあったが、委員会のみんなで考えたイベントに参加した職員から“楽しかったよ”といってもらえることがとてもうれしく、それが仕事の活力になっている」と笑顔で答えてくれた。●坂本義仁さん︻入社したきっかけ︼ 坂本さんは12年前、仕事中に転落事故で脊髄を損傷し、車いす生活になったという。しかし、「妻と2人の子どもがい                               取材を終えて職員インタビュー働く広場 2021.11部署ごとに朝礼で行われる5分間手話講座(写真提供:株式会社スミセイハーモニー)職場コミュニケーション向上委員会が実施している挨拶運動(写真提供:株式会社スミセイハーモニー)デスクや通路は車いすなどに配慮し、充分な幅をとって設置されている図 株式会社スミセイハーモニー 企業理念● 働く意欲のある障がい者に対して積極的に雇用 の場を創出・提供する● 社員は職場の仲間の個性や障がい特性を互いに 理解・配慮し、すべての人が持てる力を発揮し、  やりがいと達成感を感じることのできる風土を つくる● 人として成長することで、自立し地域社会で活 躍出来るよう、必要な教育機会を提供する24

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る