働く広場2021年11月号
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働く広場 2021.11障害者と精神障害者では年齢が上がるにつれて雇用割合が低下しており、特に50歳以上では身体障害者の雇用割合が多いことがわかります。 また、中高年齢障害者を雇用している企業616社においては、身体障害者(肢体不自由者や内部障害者の回答が多かった)の仕事内容は事務的職業が約半数であり、次いで専門的・技術的職業が多くなっていました。一方、知的障害者では、運搬・清掃・包装等の職業が過半数であり、次いで生産工程の職業が3分の1程度となっていました。精神障害者では、事務的職業が約半数で、次いで運搬・清掃・包装等の職業が多くなっていました。(2)中高年齢障害者に対する配慮について 中高年齢障害者を雇用している企業616社の人事労務担当者や職場の雇用管理担当者等から、中高年齢の障害のない労働者および障害種別の障害者に対して、どのような配慮を行っているかを聞きました。その結果、現状の企業の中高年齢障害者への配慮として、中高年齢者への一般的配慮、障害者の職業課題への一般的配慮、障害種別の配慮の3要素が確認できました。① 中高年齢者への一般的配慮:障害のない中高年齢従業員と中高年齢障害者に共通して企業で多く行われていた配慮としては、加齢にともなう体力の低下や健康問題の増加等に応じた「仕事内容の工夫」、「健康管理」がありました。② 障害者の職業課題への一般的配慮:特に中高 労働人口の高齢化にともない、障害のある労働者についても、健康かつ生産的に長期に仕事を続けられるような雇用管理のあり方がますます重要です。障害者職業総合センターでは、2020(令和2)年に、45歳以上の身体・知的・精神障害等のある労働者(以下、「中高年齢障害者」)を雇用している全国の企業へのアンケート調査および企業と障害者へのヒアリング調査を実施し、職場での雇用管理だけでなく地域関係機関と連携した健康管理や生活管理等も含めた「職業生活再設計」のポイントを明らかにしました。 障害者雇用の有無にかかわらない全国の企業へのアンケートを実施し、1239社から回答が得られました。障害者を雇用する企業は744社で、そのうち中高年齢障害者を雇用している企業は616社(82・8%)でした。(1)中高年齢障害者の雇用の特徴 障害者を雇用する企業744社において、45歳以上の年齢階層別に、身体・知的・精神の障害種別の雇用状況を見たものが図1です。知的障害者職業総合センター研究部門 社会的支援部門★本調査研究報告書は下記ホームページからダウンロードいただけます 「調査研究報告書 No.159」https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku159.html身体・知的・精神障害等のある中高年齢労働者の「職業生活再設計」のポイント1 全国の企業アンケート調査から65歳 以上60歳~ 64歳55歳~ 59歳50歳~ 54歳45歳~ 49歳0%5%年齢·障害種別の障害者雇用企業の割合身体障害者知的障害者精神障害者10%15%20%9.1%14.2%17.8%15.1%14.7%0.3%1.7%3.6%5.5%7.9%0.8%2.2%8.6%8.6%16.5%雇用障害者の年齢図1 障害者雇用企業(n=744)における45歳以上の   身体・知的・精神障害者の年齢別雇用状況28

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