働く広場2021年12月号
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働く広場 2021.12工場内には大型の洗濯機、乾燥機が立ち並ぶ洗浄を終えたコンテナを回収する株式会社ダスキンプロダクト西関東が運営する「ダスキン東京多摩中央工場」コンテナにモップ納品用の袋がけを行う井上悟史さんコンテナ管理を担当する井上さんは、洗浄機も使いこなすマットやモップなどの清掃衛生用品のレンタルと販売を手がける株式会社ダスキンは、「公益財団法人ダスキン愛の輪基金」の活動を通して、40年間にわたり障害者を支援する活動を続けてきた。株式会社ダスキンの子会社で、ダスキンのレンタル商品のクリーニング事業をになう「株式会社ダスキンプロダクト西関東」では、事業の拡大をきっかけに、1997(平成9)年から工場での障害者雇用を積極的に行ってきた。現在、従業員の約一割にあたる11人の障害のある社員が、入庫確認からクリーニング、検査や梱包作業、出荷の前作業などさまざまな業務に就き、大きな戦力となっている。勤続年数が20年を超える社員が多い同社では、個人の能力や特性に応じて、複数の業務をになう多能工化によりキャリアアップを図っている。その一人で、勤続21年の井いの上うえ悟さと史しさんは、コンテナ管理を担当し、搬送リフト(15ページ)や洗浄機も使いこなしている。この日、モップの仕上げ工程を担当していた勤続20年の山やま本もと和かず幸ゆきさんは、空気清浄機のフィルターやレンジフードのグリスフィルターの品質検査、組立て梱包作業も担当しており、「グリスフィルター品質判定能力ライセンス」という社内ライセンスを取得している。これはダスキンブランドの品質基準を守るという責任ある立場であり、その責任感が本人の働く意欲の向上につながっているという。障害のある社員の指導においては、障害を個性と理解し、仕事が一人でできるようになるまで、職場作業員がつき添って指導を続ける。本人の好きなことや得意なことをほめて伸ばし、作業員のつき添いなくできるようになったら、その作業を任せることにより、障害のある社員の責任感や働く意欲を高めている。このような工夫や多能工化により障害のある社員が長く働き続けられる職場となっている。商品の受入れを担当する勤続20年の三み上かみ潤じゅん一いちさんは、「ここで長く働きたいです。定年まで働き続けたいです」と語ってくれた。16

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