働く広場2021年12月号
30/36

働く広場 2021.12的な支援の実施可能性や実施課題等をアンケートで把握しました。 また、その他の難病の保健医療機関・専門職、障害者雇用支援関係者、難病当事者等の具体的支援ニーズをさらに把握するため公募によるワークショップを実施し、グループワーク等による地域での多機関・多職種の連携場面を模すことにより、多様な支援の実施可能性や実施課題等を参加者からアンケートで把握しました。 加えて、関係者への情報提供ツールは、これらにより明らかになった関係者の取組み意向や具体的な実務課題をふまえてその内容を具体化し、関係者の意見や内容の調整を経て完成させました。(1)難病就労支援・両立支援の専門職研修や  役割分担・連携ワークショップ 専門職研修やワークショップの参加者のアンケート回答の分析により、就労支援ニーズや効果的支援のあり方の情報を提供することで、保健医療分野を含む地域関係者の各専門性をふまえた役割分担・連携への取組みに関する意向を高めることができました。 しかし、より具体的な実務の場面においては多くの課題に直面することが想定されることが明らかになりました。具体的には、①保健医療分野の医療・生活相談場面において、難病のある人にとって、どのような状況が、就労支援や 近年、身体、知的、精神障害等について、効果的な職業リハビリテーションのあり方は「企業と地域関係機関・職種の連携による就職・職場定着支援」として総合化しています。難病の職業リハビリテーションは発展途上ですが、難病のある人、支援機関、事業主等への調査分析により、企業と地域関係機関・職種の連携による就職・職場定着支援の具体的課題が明確になってきています。一方、難病のある人の就労支援は、現在、障害者雇用支援分野だけでなく、難病の保健医療分野での就労支援や治療と仕事の両立支援の分野においても、新たな課題として取組みが発展しています。しかし、多分野間の支援目的や支援枠組等が異なるため効果的な連携はしばしば困難になりやすいといった課題が見出されます。 そこで、本研究は、難病のある人の就職・職場定着支援における多様な関係者の取組みの実態と課題を網羅的に把握し、それに基づき「関係者への情報提供ツール」として、多様な関係者の効果的な役割分担と連携を促進する見取り図となるパンフレット等(就労支援活用ガイド、リーフレット)および地域障害者職業センター等による難病のある人への職業リハビリテーションの実務マニュアルとして活用できるハンドブックを作成することを目的としました。 障害者職業総合センター(以下、「当センター」)では、従来から障害者雇用支援関係者だけでなく、難病の就労支援に関わる保健医療関係者にも、調査研究結果に基づく難病のある人の就労支援ニーズや効果的支援のあり方や障害者の雇用関係の制度の整備状況など、専門職研修で情報を提供してきました。本研究では、そのような専門職研修の後に、参加者から具体障害者職業総合センター研究部門 社会的支援部門★調査研究報告書(No.155)および情報提供ツールは、下記ホームページからダウンロードいただけます https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku155.html「企業と地域関係機関・職種の連携による難病患者の就職・職場定着支援の実態と課題」の概要1.調査研究の方法はじめに2.調査研究の内容28

元のページ  ../index.html#30

このブックを見る