働く広場2021年12月号
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編集委員のひとことミニコラム第8回「リハビリテーションカウンセリングのあり方」東京通信大学教授松爲信雄※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は松爲委員が執筆しています。 ご一読ください。滋賀新潟京都広島大分千葉2021年度地方アビリンピック開催予定千葉県、新潟県、滋賀県、京都府、広島県、佐賀県、大分県*部門ごとに開催地・日時が分かれて いる県もあります*  は開催終了11月下旬~1月地方アビリンピック検索※全国アビリンピックが 12月17日(金)~12月20日(月)に、 東京都で開催されます。※新型コロナウイルス感染症の影響により、変更する場合があります。佐賀働く広場 2021.12描いたラベルも利用者たちがデザインし、ラベル貼り作業を担当した。チョーコー醤油のオンラインショップなどで販売。1本200㎖、561円(税込)。https://chokoshoyu.shop/dressing/ 福祉事業者に向けた企画提案やサービスを展開する「Kプランニング」代表でライターの戸と原はら一かず男おさんが、知的障害者の日常を描いた漫画&エッセイ『はるはる日記』(文・戸原一男╱絵・伊い東とうぢゅん子)を自社発行した。戸原さんは障害者就労支援施設に長年勤務し、全国の就労支援施設270カ所以上を取材。本は6〜10コマの漫画50話と、漫画を解説したミニエッセイで構成され、知的障害者の「あるある話」や事業開発のヒント、支援のあり方、施設の好事例も掲載している。A5版、114ページ、2000円(税込、送料込)。「Kプランニング」ウェブサイトから注文可能。https://www.kplanning.biz/ 職業リハビリテーション分野の知識と技術の包括的な体系化を進めることは、長年の私の課題でしたが、コロナ禍で在宅就業が強要されたおかげで、集中的に執筆の時間を獲得できることになりました。 その結果、8月に「キャリア支援に基づく職業リハビリテーションカウンセリングー理論と実際ー」(ジアース教育新社)(※)を刊行しました。この過程で強く意識したのが、「人間と社会のための新たな学術体系」としてのリハビリテーションカウンセリングのあり方です。 社会的・個人的な実践で直面する個別的な課題を具体的に解決することを目ざす「新たな学術体系」は、「あるものの探究」(知の探求:認識科学)と「あるべきものの探求」(目的や価値の探求のための技術:設計科学)の統合が不可欠です。 そのため、リハビリテーションカウンセリングは、有限の資源のもとで、働くことを基軸とした社会参加を通して「生活の質(Quality of Life)」と「健康(Well-Being)」を追求しながら、人類の持続可能な社会の構築に向けた統合的システムの構築を目ざす設計科学であると位置づけ、認識科学としての「理論的基盤」と、技術の設計科学としての「個別支援の実際」、「雇用環境調整の実際」、「ネットワークと人材」の4部19章で構成しました。 これによって、リハビリテーションカウンセリングは、障害の有無にかかわらず、すべての人々の「生活の質の向上」と「健康の増進」を理解する一つの扉となることを願っていますが、まだ始まったばかりです。新たな学術体系に向けた試みはこれからも続くことでしょう。※本誌2021年11月号「ニュースファイル」の「本紹介」に掲載しています本紹介『はるはる日記』31

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