働く広場2022年1月号
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働く広場 2022.1ドバイスされ、いまは業務日報を書きながら過去の自分をふり返ることで、前向きになれているという。北浦さんも、岡田さんの成長ぶりに驚いている。「最初のころは、人とスムーズに会話をするのがむずかしい状態でしたが、事業所内の配達に回ったり、同僚や私たち指導員と話したりするうちに、どんどん積極的になり、『もっと仕事をやらせてください』というようになりました」岡田さんは「いろいろな業務に取り組むなかで『これは岡田に任せれば安心だ』といってもらえる仕事を増やしていきたいです」と語ってくれた。 〈事業部配属〉入社6年目からは、就業状態が良好と現場の上司らに認められた場合、社員登用試験(論文)を受けることができ、合格すれば「職種専任型社員」となり、正式に配属される。職種専任型社員は、一般正社員の一つのタイプで、定年まで異動することなく働き続けられ、給料やボーナスなどの待遇がいままでと大きく変わる。これまでに職種専任型社員になったメンバーは8人、今年も4人が候補にあげられているという。ただし、こうした一連のカリキュラムは、だれもが順調に進んでいくわけではないと薩摩さんが説明する。「なかには障害特性により派遣先が決まらないとか、派遣先業務との適性を見定める期間がもう少し必要と判断され、延長になることもあります。また、本人が職種専任型社員になることに一歩ふみ出せなかったり、途中で業務サービスグループに戻ってきたりするケースもあります。逆に、1年目から派遣先の事業部で戦力として認められ、そのまま派遣先に配属され、そこで働き続けるメンバーもいます。一人ひとりの特性や成長に合わせ、無理せず着実に育てていきたいと思っています」メンバーが着実に戦力となっている現場も訪れた。大きなビニール型テントのなかで、部材の配膳作業をしていた小こ寺てら修しゅう司じさん(29歳)は、2011年に入社。さまざまな現場を経験したあと、2019年からIL事業部に派遣されている。小寺さんは高等養護学校時代にフォークリフトの免許を取得しており、「実際に運転しながら作業できるのがうれしい」という。「ここは何でも相談しやすく、話をしやすいので、とても働きやすいです」と話す小寺さんは、職種専任型社員を目ざしている。「これからも、安全を意識して仕事をしていきたい」と意欲を語ってくれた。小寺さんの働く現場から車で数分離れた場所にもIL事業部の大きな倉庫がある。その入口付近のデスクで、伝票の束たばをめくりながら手早くはんこを押していたのは、2007年入社の奥おく村むら理り果かさん(32歳)。2014年にいまの現場に配属され、2021年に念願の職種専任型社員になった。「大きな工場で働きたいと思って入社しました。ここではいろいろな人とコミュニケーションが取れるのがうれしい」と笑顔で話す。ここには毎日2000点以上の発注部品が納品され、仕分けられて各現場へと配達されている。奥村さんは、納品書にミスがないかチェックしながら、バーコードで読み込み、確認用のはんこを押している。少しでも仕事を効率的に進められるよう、自分でアイデアを練って工夫を職種専任型社員にもフォークリフトを使い部材の配送する小寺さんIL事業部の小寺修司さん行動目標シートには「作業前に伝票を確認する」など、具体的に記載されている10

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