働く広場2022年1月号
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働く広場 2022.1の分析と再休職予防策の検討」、「今後の働き方の検討」)に取り組みます。これらは、休職者や事業主からよくあげられる支援課題や復職判断基準をふまえています。(3)JDSPの利用手続き JDSPの利用は、「休職者」、「主治医」、「事業主」いずれかからの直接の申し込みとなります。最初に休職者とインテーク(初回相談)を行い、次に主治医の意見書を取得し、原則通院に同行します。また、事業主から「復職に向けた課題・支援ニーズを確認」します。それらをふまえて「支援計画を策定」し、休職者・主治医・事業主の「三者同意」を得ます。(4)JDSPの四つのテーマ JDSPでは、習得をめざす知識やスキルを、四つのテーマ(「生活習慣」、「コミュニケーション」、「ストレス対処」、「仕事の取組み方・働き方」)に分類しています。(5)JDSPの支援サイクル JDSPは、「学ぶ」、「体験・実践する」、「振り返る」の三つのサイクルで進めます。セミナーで学び、学んだ知識やスキルを体験・実践プログラムで試し、各種ワークシートやグループワーク、個別面談による振り返りで理解を深めます。(6)事業主との調整 JDSPでは、休職者と事業主による主体的な取組みを主軸に据えながら、復職に向け事業主との調整を行います。調整では、支援開始にあたって「基本情報の共有と支援目標の明確化」を行い、「進捗を共有」し、支援の終了にあたって「取組み成果を共有」します。 障害者職業総合センター職業センターでは、気分障害等で休職中の方を対象とした職場復帰支援プログラム「ジョブデザイン・サポートプログラム」(以下、「JDSP」)の実施を通じ、職場復帰支援にかかる先駆的な職業リハビリテーション技法の開発に取り組んでいます。 この度、2004(平成16)年の開始以降さまざまな支援技法の開発と改良を重ねてきたJDSPの全体像や構成要素をあらためて整理し、プログラムの具体的な内容や支援の実際を実践報告書№37「ジョブデザイン・サポートプログラムのカリキュラムの再構成〜プログラムの具体的内容と支援の実際〜」に取りまとめました。以下にその概要を紹介します。 JDSPの構成要素を整理したものが図1の構成図です。(1)JDSPの目的 目的は、休職者の「スムーズな復職」と「復職後の健康的で安定した職業生活」の実現です。(2)JDSPの目標 JDSPでは、四つの目標(「復職後を想定した生活習慣の確立と維持」、「基本的な労働習慣と基本的な業務遂行能力の確立」、「休職要因障害者職業総合センター職業センタージョブデザイン・サポートプログラムのカリキュラムの再構成●JDSPとは図1 JDSP の構成図28

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