働く広場2022年1月号
33/36

編集委員のひとことミニコラム第9回就労支援機関の役割と専門性あきる野市障がい者就労・生活支援センターあすくセンター長原智彦※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は原委員が執筆しています。 ご一読ください。京都香川広島佐賀東京2021年度地方アビリンピック開催予定東京都、京都府、広島県、香川県、佐賀県*部門ごとに開催地・日時が分かれて いる県もあります*  は開催終了1月~2月地方アビリンピック検索※新型コロナウイルス感染症の影響により、変更する場合があります。働く広場 2022.12002年に自治体ビル管理契約研究会を発足、大阪府・市の「総合評価一般競争入札制度」を実現させた。2012年に「一般社団法人エル・チャレンジ」設立。同年に就労移行支援事業所、2014年に就労継続支援B型事業所、総称「えるえる」を開所。2015年には自立訓練校「L's collegeおおさか」を開校。障害者雇用日本一を目標に掲げた大阪府ハートフル条例を機に、効率化と福祉化の両立を追求した大阪発ソーシャルファームの20年あまりの軌跡をまとめた一冊。A5判136ページ、定価1980円(税込)。 群馬県在住の彫刻家・三み輪わ途みちよ道さんが、視覚障害のある人にも読みやすいよう工夫しながら、県内の仏像の魅力を紹介した『祈りのかたち』(上毛新聞社刊)を出版した。三輪さん自身も視野が欠ける病を患っている。本は、情報誌「上州風」(上毛新聞社刊)で2008〜2010年に連載したエッセイを中心に収録。一般用とLOWVISION用の2冊の合本式で、裏表紙側から開くと、文章は黒地に白のゴシック文字の横書きとなっており、写真はモノクロにして一部に白い輪郭線を引くなど、視力が弱い人も認識しやすくなっている。B5判、計220ページ、2750円(税込)。 就労支援機関は、当事者と雇用している、または雇用しようとする事業所の双方を支援する役割があります。10代から60代までの登録者と、その人たちを雇用する事業所、支援する関係機関と連携しながら、就職支援、定着支援、生活支援などを行います。生活支援には、当事者の不安や病状についての相談、障害基礎年金の申請にかかわる相談や支援、主治医の先生との話を含めた通院同行もあります。ここ数年は新規の登録者として、精神障害者保健福祉手帳を所持する人たちが増えています。 先日、「キャリア支援に基づく職業リハビリテーションカウンセリングー理論と実際ー」(ジアース教育新社刊)を執筆された松爲信雄先生と、ジョブコーチ(職場適応援助者)養成研修をされている小川浩先生と、一緒に話す機会がありました。就労支援機関は年々対象となる登録者が増え、その専門性が求められています。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を受けて、障害のある人の働き方にも変化が出始めています。在宅勤務のあり方やオンラインによる働き方も見られるようになりました。多様な課題がある状況をふまえて、お二人の先生は、職業リハビリテーションの学問としての確立の必要性を述べられました。多様なニーズを抱える人への支援や学びを保障するには、就労支援の現場におけるOJTに加え、専門性を担保して、職業リハビリテーションを進める資格制度も必要に思います。現在ある就業支援基礎研修、ジョブコーチ(職場適応援助者)養成研修に加え、新たな資格制度を検討する時期かもしれません。人は他者との関係のなかで、自分の役割を果たし、生きがいを見つけます。一人ひとりの良さを活かし、多様性を大切にする社会をつくるには、労働・福祉・教育の分野において、その方向性を合わせ、新たな専門性と人材育成を目ざす時期を迎えているように思います。『祈りのかたち』31

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る