働く広場2022年2月号
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働く広場 2022.2警備研修では訓練時間を2倍に増やし、警備士に求められる身体能力や諸動作が行えるかということの検証を行った警備士のインターンとして、同僚とともに大学の受付管理業務を担当している救急対応における心肺蘇生訓練の様子。車いすを降り、意識確認や心臓マッサージを行う株式会社ゼンコーは、首都圏および関西地区に営業拠点をもつ警備会社で、警備とそれに付随するサービスを主力事業としている。グループ内では、身体障害や知的障害などがある社員も、警備士や警備事務職として働いている。また同社では、これまで障害者スポーツへの支援を行ってきた。現在は、パラアスリートの引退後のセカンドライフにおいて、その身体能力の探求、可能性に挑む勇気と力を活かして警備業で活躍してくれることを期待し、パラアスリートの人財発掘に力を入れている。同社で、パラアスリートのスカウティング活動と、車いすユーザーが警備士として働くうえでの問題点の検証に取り組んでいるのが、濱はま田だ久く仁に彦ひこさん(61歳)だ。埼玉県警察本部の事務職員を定年退職後、元上司から誘いを受け、2021(令和3)年1月に入社した。警備研修も終え、現在は、埼玉県内の大学において同僚の警備士とともに、警備士のインターンとして、来校者の検温や消毒などの「受付管理業務」のほか、同社が請け負う講習会での「受付・講習管理業務」などに就いている。今回は、その一つである、埼玉県内で開催された講習会での様子を取材した。濱田さんは、「だれかのためや、社会のために働けることが、やりがいにつながっていると思います。障害がありながら働くことの多様性を、警備業という分野で、たとえごく小さな芽でも植えつけることができればと思っています。障害のある人が活躍できるフィールドを広げられればという気持ちで取り組んでいます。今後は、パラアスリートの人財営業にも取り組んで、新たな展開への道を探したいです」と語る。★16ページの写真提供:株式会社ゼンコー警備研修大学でのインターンの様子16

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