働く広場2022年2月号
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働く広場 2022.2情報発信してPRすることとしています。本事業の取組みをモデルとして、各地で木工に関する林福連携の取組みが広がっていくことが期待されます。政府は、令和元年に「農福連携等推進会議」を設置し「農福連携等推進ビジョン」を取りまとめました。林福連携の取組みは、林業事業体や木材関連企業、事業所などのアイデアや努力はもちろん、長期的な社会・地域・行政機関とのかかわりにより、いっそう発展していくものと思われます。林福連携が地域をつなげ、山村振興や地域の活性化の足がかりになることを期待しています。 都道府県を対象に行った調査の結果、令和2年度には全国の林業事業体・木材関連企業、事業所で282の林福連携の取組みが行われています。その半数以上がきのこや炭などの特用林産にかかる仕事で、自らしいたけ栽培などを行う事業所は112にのぼります(図1)。一方、都道府県の林業担当部局に林業・木材産業などへの障害者の就労支援の課題を聞いたところ、安全・危険回避の面で心配が多く、次いで施設・環境や情報・マッチング、体力・健康管理、指導人材などを危惧する回答が目立ちました(図2)。林福連携においては、林業事業体・木材関連企業と事業所の双方を理解してつなぐ人材、また、現場で直接障害者に指導する人材の育成が急務と考えられます。     ところで、林野庁では、令和3年度より林福連携で行う優れた地域材製品開発などの取組みに対して支援を開始しました。具体的には福祉関係者、林業・木材産業者、デザイナー、地域関係者などが連携し、優れたデザインやストーリーをもつ付加価値の高い地域材製品を開発することにより、地域材の魅力向上や障害者などの新たな活躍の場の創出、地域の振興につながるモデル的な取組みを支援するものです。今年度は、それぞれ玩具、ベンチ、雑貨などの木製品について、製造工程や治具の検討、試作やモニター調査などを行ったのち、完成した製品や林福連携の取組みを効果的に林福連携の可能性全国の林福連携の取組みと課題「林福連携×デザイン性up」の取組み図1 林福連携の取組分野図2 林福連携の課題作成:林野庁 林政部 経営課 林業労働・経営対策室特用林産(きのこ、炭等)54%安全・危険回避27%施設・環境19%情報・マッチング12%木材・木材製品製造 20%体力・健康管理 11%指導人材11%仕事の遂行性3%福祉事業所の負担(理解・業務量)8%苗木生産6%造林・保育4%伐木造材外4%その他12%その他9%27

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